
株式会社玉越 髙木 宏動
今回は、娯楽領域の事業で活躍をされている髙木様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
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・二代目・三代目社長の方
・会社を立て直したい方
- こんなことが学べる
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・会社が危機的状況のときの立て直し方
・起業当時、社長就任当時に意識すること
株式会社玉越 髙木 宏動
今回は、娯楽領域の事業で活躍をされている髙木様のビズストーリーをお届けします。
メイン事業としては「愛知県を中心に地域密着型の遊技場」を9店舗展開しています。
地域密着型・こだわりの店舗作り・清潔感の3つが当社運営遊技場の特徴になります。
その他にも、「フジヤマ55プロデュース飲食事業」「Hakuba MAHOROBA等の宿泊事業」、その他様々な新規事業に力を入れています。
–ありがとうございます!飲食事業と宿泊事業はそのようにスタートされたんですか?
飲食事業に関しては、店舗の付帯設備として創業者である先代のころからの取引先に運営していただいていましたが、話を詳しく聞くとしばらく赤字続きだったのにも関わらず、これまでのお付き合いがあったことによるご厚意で運営していただいていたことがわかり、このままでは迷惑をかけてしまうと思い自社運営に切り替えたという経緯になります。
宿泊事業に関しては、私の趣味がウィンタースポーツだからということが大きく絡んできます。日本の観光の開発はバブル期から止まっていると言われていますが、海外の観光は目を見張るほど開発が進んでいます。ウィンタースポーツをするために海外に行くことも多々ありますが、そのときに日本の遅れを強く実感したことから、宿泊事業を始めたという経緯になります。
–室内・室外問わず娯楽に特化した事業展開をされているんですね!
そうですね。創業者が当時「人々の楽しみを育てる企業でありたい」と常々話していて、現在もその思いが根底にありますのでその背景を踏まえた上で事業展開をしているような形です。
この業界の魅力にハマっていったことがきっかけです。
私は創業者である父から引き継いだ形になりますが、三人兄弟の末っ子だったこともあり会社を継ぐ気もなかったですし、父に借りを返したら辞めるくらいの気持ちで入社しました。ですが、会社のみなさんが真面目で真摯に仕事に向き合っている姿を見て、考え方が変わり一生懸命に仕事をするようになりました。そこから業界の楽しさがわかるようになってきて、気づいたら魅力にハマっていましたね。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
意思決定をひたすらしてきたことが1番の要因だと思います。
私が会社を継いだ当時は会社としてかなり危機的で、借金100億円、営業収支マイナス10億円という状態でした。例えると、すごく出血しているところをいかに止血するかという状態でしたが、逆に言うと何をすべきかが決まっていたのでそれに合わせてとにかく意思決定をしていきました。状況的にもすごく大変だったので、就任後半年間ほどは仕事以外のことはしていなかったのですが、そのおかげで会社として良い方向に向かっていきました。
–そこからコロナ禍になって業界柄的にもダメージは大きかったのではないでしょうか?
そうですね。1ヶ月半ほど休業しましたが、推定売上60億円ほど飛んでしまいました。社内のみんなに「大丈夫だよ!」と言いながら自分に言い聞かせていました。ただ、お金の計算は徹底して行っていて「この範囲を越えなければ大丈夫」というラインがあったので、そこを意識した運営をすることで持ち堪えていました。
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
メイン事業である遊技場に特化してお答えすると「法整備がされていないこと」です。
当社の場合はリスクがカントリーリスクではなく、法整備等になってくるので、そこは常に付きまとう問題だと思います。
メイン事業に関わらず全体での話をすると、これはどの企業も同じだと思いますが人口問題になってきますね。2100年には人口が半分になると言われていて、労働者数もその分減少することから日本国内だけに特化していると限界が来てしまうなと感じます。
–となると、海外への展開も視野に入れてるのでしょうか?
そうですね。2100年ごろには海外への展開が当たり前になっていると思うので、私が社長でいる間に海外へ進出するきっかけは作って起きたいと思っています。
–髙木さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
「創業者の精神を受け継ぐこと」にこだわっています。
創業者のことは考えず、自分のやり方で突き進むことも1つの手法ではあると思いますが、私は「創業者が作ってきた良いものを、時代が変わってもお客さまに評価されるようにしていくことが大事」だと考えています。もちろん私なりのやり方もしていきますし、変えるべきものは変えていきますが、根底の部分は変えずに受け継いでいきたいですね。
就任当初の自分には、アドバイスというよりも褒めてあげたい気持ちの方が大きいですね。先ほどもお話ししましたが、半年間ほどは仕事しかしていなかったのでそれ以外の記憶が一切ないですし、そのおかげで会社を立て直すことができました。
ですので、起業しようとしている方や社長に就任しようとしている方に向けてアドバイスするとすれば、「ひたすら一生懸命に仕事をすること」です。環境や時代の変化に流されることもあると思いますが、一生懸命に打ち込むことで光が差すことを私は身をもって実感したのでとにかくひたすら仕事をする、意思決定をすることを意識してもらえたらと思います。
–とにかくやるしかない時期は必ずありますよね…!
そうですね。やるべきことをしていれば見てくれる人は見てくれているし、サービスとしてお客さまにも伝わります。その結果全てが良い方向に進んでいきますので、それまではとにかく頑張り続けるしかないと思いますね。
日々の頑張りに感謝はしていますが、そういう当たり障りのないこと以外で伝えたいことは、「どの立場であっても一生懸命頑張っていれば良いことがあります」と伝えたいです。自分で自分なりの考えを持って行動し、自分で決められることは自分で意思決定しながら頑張ってもらえたら必ず良いことがあるので、今後も全力で仕事に向き合ってもらえたらと思います。
会社としては、私の中でテーマとして掲げている「家業を社業へ」を実現したいです。
1人1人が考えていることは、アウトプットをすることで始まっていきます。自分の考えや夢を多くの人に聞いてもらって、それを事業化させていくことで会社は大きくなっていくと思いますので、このテーマの実現は必ず成し遂げたいと思います。
髙木さん、ありがとうございました!最近、二代目・三代目社長にインタビューさせていただく機会が増えてきましたが、みなさん会社がかなり危ない状態のときに就任されていて会社を立て直されています。今回お話を伺った髙木さんもV字回復をされていて、その分お話に重みがあるなと感じました。今後の事業展開がとても楽しみです!
▼株式会社玉越 HP
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