株式会社開拓塾 岡田 竜馬
今回は、学習塾領域の事業で活躍をされている岡田様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
-
・塾事業を展開している方
・起業への不安がある方
・会社の立て直し方を知りたい方
- こんなことが学べる
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・倒産しかけたところから会社を立て直す方法
・起業へのハードルを下げる考え方
株式会社開拓塾 岡田 竜馬
今回は、学習塾領域の事業で活躍をされている岡田様のビズストーリーをお届けします。
「小学5年生から中学3年生に向けた学習塾」を運営しています。
全学年を対象にして生徒数をとにかく増やすことがセオリーな風潮の中、あえて学年を絞るという学習塾の中では極めて稀な形態をしています。
–ありがとうございます!あえて絞っている理由は何ですか?
「1つの学年に投入できる時間を十分に作るため」です。
学年が少ないとその分1つの学年に投入できる時間が多くなりますので、子どもたちに使える時間が増えて子どもたちにとってもメリットがありますし、社員にとっても時間にゆとりができますので、あえて絞るという選択をしています。
元々起業することは決めていて、あとはその業種で起業するかという問題でしたが、最終的に「学習塾で3年間講師として働いていたことをきっかけに学習塾を始めた」という背景になります。
–ありがとうございます!起業を元々決めていたのはなぜですか?
幼い頃から貧乏だったので、お金に関してコンプレックスを持っていたことが1つの理由です。友達が持っているものを自分は持っていないという経験をしてきたので、お金を稼いで豊かになりたいという気持ちが強く、起業して成功させることは前々から決めていました。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
「大きな失敗をして倒産危機に追い込まれたとき、撤退という選択を取った」です。
1995年に設立してから一気に拡大し、2011年には33校舎まで増やしましたが拡大路線の失敗で金融機関から10億円という莫大な借金を抱えました。そこで私が描いていたストーリーはすべて崩れ倒産まで秒読みの状態でしたが、そこから一気に経営の舵を切ったことで2022年に10億円の借金を完済しました。
現在は17校舎を展開し、3期連続で最高経常利益を更新しています。
–なるほど…!倒産間近のところからどのように舵を切り、施策を打たれたんですか?
「撤退する」ことに舵を切り、5年間で校舎を半分減らし、その後3つの施策を実施しました。
1つ目は「研修を強化し、講師の質を上げたこと」です。
多店舗展開に力を入れすぎたことで講師力の質が低下したことが失敗の要因の1つだと考え、そこから厳しい研修を実施し、講師のスキルアップに注力しました。さらに、私が行う全体研修を1ヶ月に一度だったところから1週間に一度行い、パフォーマンス向上を徹底しました。
2つ目は「働く環境整備」です。
一般企業では当たり前のことですが、学習塾業界では土日完全週休二日制にしている企業はめずらしいと言われています。そのような中、当社では土日完全週休二日制を導入し講師の働く環境をより良いものにしていきました。
–講師ありきの事業ということがわかりますね。3つ目の施策を教えてください!
3つ目は「徹底的な経費削減」です。
収支バランスにズレが生じたことで資金繰りができなくなったわけですので、「いかに支出を抑えられるか」をテーマに取り組みました。削減できた最大の経費は「校舎の家賃」です。1つ1つの地主さんに頭を下げ、交渉した結果年間2500万円分家賃を下げることができました。
これらの施策を丁寧に行ったことで10億円の借金を返済できました。
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
今後は塾事業の拡大は行わず、新規事業を立ち上げて会社を伸ばしていく予定なので、その新規事業がうまくいくかどうかが大事になってきます。課題はやってみないと出てこないですし、これまでやったことがないことに取り組む予定なので、課題はこれから出てくるものだと思っています。
–塾に関連した事業を始められる予定なんですか?
1つは塾にも関連していて、「塾の教材を外部に売る」という事業を始める予定です。
もう1つは塾とは関連していませんが、人材採用系の事業を始めたいと考えていて、アプリも開発しているところです。今後は、店舗拡大していくという事業をせず別の形で事業拡大をしていけたらと思っています。
–岡田さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
経営においても、人生においても「相手に喜んでもらえた先にお金が勝手についてくる」という考え方を貫いています。
もちろん経営者なので利益を追求しますが、「お金を儲けるためにはどうしよう」という考え方ではなく、「価値のある良いことをすることでお金がついてくる」という考え方で経営を行っています。そこは崩れないように喜んでもらうことを第一に今後も事業展開していきます。
起業1回目で必ず成功しないといけないわけではないから、自分を追い込まないでほしいですね。
もちろん1回目で成功するに越したことはないし効率的だとは思いますが、1/1で成功させようとするとプレッシャーで判断を謝ったり、アクションが鈍ったりしてしまうので、失敗したら2回目、3回目ののチャンスで成功させようというスタンスで頑張って欲しいですね。
「一緒に働いてくれていることに感謝しています」と伝えたいです。
当社のメンバーは根性というか、どんなときもついてきてくれる気持ちが人一倍強くて、ここまで一緒に頑張ってくれていますが、その環境を当たり前だと思わないようにいつも感謝しています。ただ、「大切にしたい」という気持ちと「成長させたい」という気持ちのバランスが難しいなとも感じています。経営をしていくためには日々成長して欲しいので、ついつい現状のままではダメだからという方向に持っていってしまっていますが、感謝の気持ちは常に持っています。
今いるメンバーには、ここで頑張ってよかったと思ってもらえるようにすることが私がみんなにできる恩返しだと思っています。
先ほどお話しした教材とアプリ開発、さらにはもう1つの新規事業を成功させて、その先に当社の平均年収を教育業界の中でトップ3に入る企業にしたいです。現在はトップ10には入っている状態なので、今後売上高10億、100億と伸ばしていった先に平均年収がトップ3に入るようにしていきたいですね。
また、私はとてもスポーツが好きで、現在もモータースポーツチームや格闘技のスポンサーをしていて、格闘家の朝倉海選手が当塾の卒業生という縁から朝倉兄弟の練習場のスポンサーもしています。今後思い描く成功をすることができれば、サッカーのJ2リーグのクラブを保有したいなと考えています。
岡田さん、ありがとうございました!
「失敗は経験」という言葉がありますが、その言葉通り岡田さんの眼差しや言葉にはとてつもない経験をされてきたことが伺えるほどの重みを感じました。普段は社内でも出さないことが多いかもしれませんが、社員想いな部分が伝わり、こういうところにみなさんついていくのだなと思いました!
▼株式会社開拓塾 HP
▼学習塾用教材WILL