株式会社Crowd Moove 信濃 拓実
今回は、BPO領域の事業で活躍をされている信濃様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
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・学生起業をしようとしている方
・どんな事業をやったら良いか迷われている方
- こんなことが学べる
-
・起業初期に気をつけるポイント
・学生起業からの事業設計
株式会社Crowd Moove 信濃 拓実
今回は、BPO領域の事業で活躍をされている信濃様のビズストーリーをお届けします。
一般的にはBPOの事業になります。主にベンチャー向けのバックオフィスや事務代行をしていまして、1時間2,200円で「必要な時に必要な分だけ」業務を依頼いただけます。例えば経理作業だと、毎月月末に請求書を発行したり社員の方への給料振り込みなどを行っていたりします。
それ以外にもカスタマーサポートの問い合わせ対応や採用の応募者対応など、バックオフィス業務に関わるものを一括して任せていただけるようなサービスです。
-給与振り込み対応の部分までやってくださるんですか?
そうですね。さすがに大きな会社だと難しいと思うんですけど、今だと社員数10名くらいの会社さんの振込みまで代行したり、セキュリティの問題もあるので最終承認は社員さんにして申請までしている案件もあります。
-そこまでやってくださるなら1人社長で業務がパンパンな方には特におすすめですね!前職で数人の会社で複数人のインフルエンサーを抱えていた会社に勤めていたこともありますが管理が本当に大変そうだったので…
そうですね。結構1人社長が多いです。忙しいからタスクを外出ししたい、だからといってアルバイトの人に任せるとなると「もしかしたら」のリスク、例えば横領があった会社もありますし、スタッフの仕事が遅い、コミュニケーションが上手くいかない、急にやめてしまうなどのケースも多くあります。そういう会社にとって必要なときに必要な分だけ依頼できる、安定したタスク依頼先のようなサービスとなっています。
-ありがとうございます。そうなると信濃さんのクライアントさんはどのくらいの規模の企業さんが多いのでしょうか?
1人社長が半分、残りは大体20名から50名規模ですね。従業員が増えてくると社長の業務というよりは、経理のもっと踏み込んで効率化したいなどのコンサルティング要素を含めた依頼だったり、細かい作業は丸投げして社内の経理部は別の業務に集中させたいといった背景で依頼をいただきます。
20名〜50名とかでも、会社名やサービスを知らない方って多いじゃないですか。そのため事業は伸びていても良い人材の採用はこの規模感だとまだまだ難しくて、 特に経理はお金回りのことなので、信頼できる人じゃないと任せられない。かといってさすがに採用して、育成して、すぐに任せるというところで、ちゃんと確信持って任せるのは難しいという会社が多くあります。
-確かに経理業務って業務ができるから良い!というわけではないですもんね。経理以外にもありますか?
経理以外にもECサイトやアプリの運営してるとBtoCなので、お客様の対応が間に合わないからカスタマーサポートとして問い合わせ対応をしてほしいという依頼が多いです。
大きく2つあります。1つ目は、まだ若さがあるので体力を生かして経営ができるんじゃないかと思いました。元々は就職しようと思ってたんですけど、僕は割と四六時中仕事をしていたいタイプではあるので、体力があるうちにどこまで自分を追い込めるかが重要でした。
社長であれば、自分に対しては労基を気にしなくて良いので、自分がやりたいことをやりたい分だけ仕事ができるというのが理由です。
-確かに労基は関係ないですね(笑)
就活活動中に「24時とかまで働けますか?」と質問した時に、人事の方にすごいドン引きされたというか(笑)「 いや、さすがに8時半には法律もあるからパソコン切れちゃうよ」と言われて、「そりゃそうだよな」と思ったんですけど、自分で起業してしまえばそんなことには縛られないので、 好きなだけ仕事できるぞ!と思いました。
-イマドキという言い方は失礼だと思いますが珍しいですよね。24時間会社員を働かせたら会社がさされちゃいますね…(笑)
そうですね。2つ目は、僕のタイプ的に自分で会社を作って事業をやっていくのが1番周りに対して貢献できるなとは思っていました。起業する前は学生でしたが、学生インターンで企業に入って営業を経験して、途中からは学生だということを隠して業務委託で他の会社に合計8社入っていました。
その時に、「自分が決定して進めた方が、やる気出るし成果も出せる」ということが明確になりました。
誰かに言われてやったことと、自分で決めてやったことでかなり成果が違ったので、本来モチベーションに左右されるのは良くないんですけど、社長になればそこを言い訳せず自分で決めてできるので、結果も出て社会貢献性も一番あるだろうなっていう考えで起業しました。
-そんな中でどうしてBPO事業で起業しようと思ったんですか?
実はクライアントさんに言われたのがきっかけです。
その前は営業組織の立ち上げや採用周り、採用組織周りが強かったので、営業代行と採用代行で入ってました。その中で僕自身が忙しくなったので、まず自分の事務的な作業やってくれる秘書のような人をを採用してやっていた時に、1つの支援先のクライアントに「こういう細かい作業もあるんですけどやってもらえますか」と言われて、その時に「うちの会社の秘書の時間を貸しますよ!」というやり取りから最初の受注が生まれ、どんどんニーズが増えていきました。
人手不足で困ってる会社だったり、特にベンチャーだと急な離職で1人がいなくなるだけですごい大打撃だったりするので、そういうニーズがあるとわかって来たタイミングで本格的にサービス化をしました。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
採用にすごく力を入れていましたね。元々求人広告の営業をしてたので、応募が集まる求人作成がかなり得意で、無料のengageやindeedなどの媒体から月100件、多い時は200件の応募から2〜3名採用していました。
-結構多いですね!
採用力を活かして、かなり厳選して人材を集めていたので、結果的にアシスタントに優秀な人が集まって、サービス面でも解約率がかなり低かったり、どんどん発注量を増やしていただいたりして、すごく大きな取引になるクライアント様もありました。僕らが提供しているサービス形態では、解約率をいかに下げるかが特に大事になってくるので、採用はかなり慎重に進めていました。
その結果、初めは単純作業を依頼いただいても、それにとどまらないお仕事まで追加で依頼いただけるようになっているので、優秀な人材の採用が売上にも直結していると思います。
-そうですよね、サブスク系のビジネスになると解約率は下げないとならないですもんね。
そうですね。解約が1番会社としても避けたいですし、僕個人としてもあんまりお客さんが満足していない状態は嫌なので、あまりやる意味がないなって思う場合はお断りするようにしています。
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
今まさに取り組んでいますが、職種や業界ごとに実績をしっかり出せるようにしないといけないと思ってます。やっぱり「アシスタント」って言ってもあまりピンとこない方も多くいると思っています。
主に経理と採用とカスタマーサポートとマーケティングの4つに分かれてるんですけど、それぞれ単体で実績もあってメリットも感じてもらえる状態を作ることが重要です。
このサービス設計と訴求のところを強化していきたいなとは思っています。この部分のわかりやすさをどう出すかは今後の課題になりそうです。
-一言でサービス名を表すと?って言われると難しいものですか?
そこは難しくて、たとえば過去、テスト的に会食で「カスタマーサポートに特化してるBPOです」って言った時に、 その方からすぐ発注していただいたこともありました。もしかしたら「アシスタント」っていうより、本当にその場にいる方に合わせて伝えるのが良いのかもしれないなと思っています。
–信濃さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
「正直に仕事をする」ところはこだわっているかなと思います。「誠実」とかは割と当たり前で、その上でもっとストレートにコミュニケーションしていくみたいなところにこだわっています。
「このお客さんはあんまり困ってなさそうだな」という場合は、「今はそんな必要ないんじゃないですか」みたいな話をしたりします。ビジネスモデル的に利用頂かないとならないという点と、サービス自体も含めて本当に必要な時だけ使ってもらうみたいな形なので、こういうところは自社のためにも、お客様のためにも正直にやっている部分です。
「こういうことはできますか?」という依頼もいただいたりするんですけど、そういう時もできないことは「できない」って言うとか、できる会社を紹介したりしてクライアントにとっての最善を考えています。
細かいところですが、たとえば日々のクライアントとのコミュニケーションで、こちらが悪い時はストレートに「今は弊社の失敗です」とか、逆にクライアントさんに「この部分はクライアントに改善してほしいです」というのはきちんと伝えるようにしています。お客さんと僕たちっていう関係だけじゃなくて、一緒に事業とか伸ばしていくためのBPOであって、ツールではなく人が商品になっているので、提供できる価値をより良くしていくためにも「正直さ」にこだわっています。
3つあります。
1つ目が「キャッシュフローに気を付ける」ということです。僕の会社が資本金10万円で始めたんですけど、 最初に売り上がったのはいいものの、売り上げが2ヶ月後に入ってくるけど、その売り上げを立てるために使った人件費やツール費用などが1ヶ月後に引き落とされるので、早速2ヶ月目で潰れそうになるみたいなことがありました。
お金が出るタイミングと入ってくるタイミングがずれないようにというところと、そこから心がけてるのは、常識の範囲内で入金は1日でも早く、出金は1日でも遅くすることです。他の経営者の方からも口酸っぱくアドバイスされることだと思うんですけど、本当に気を付けた方が良いです!
2つ目は「契約書をしっかり見る」です。法学部だったら大丈夫だと思うんですけど、あまり気にしないでいると実際に自社に不利な要件が盛り込まれてたりします。何かトラブルがあった時に、その契約書をベースに「返金するかどうか」みたいなこととかも全て、契約書に書いてあることが全てになってしまうので、適当にやるとトラブルに繋がりやすくなります。業務委託の方が急にトラブルを起こしてそのまま飛ばれたりとか…っていうこともあったので、そういう時に契約書だったり個別契約があると良かったのかなっていうこともあるので、特に創業期はトラブルもすごくたくさん起こるものだと思って準備することが重要です。
3つ目は「怪しい人や話を見極める」です。結構いろんな大人がいるので、特に若い人だと少し「変な人」が寄ってきたりとかはするので、そういうところはしっかり見極めることが大事です。なんでも年上の言うこと、人の言うことを聞かないとか、今お世話になっている小峰さんみたいな信頼できる大人の方にいつでも相談できる状態にするとか、経験経験が浅い分、そこを賄えれる知識や環境を作るのは大事だと思います。
結構今のクライアントさんにすごい褒めていただくことが多くて、かなり満足していただけていると個人的には思っています。僕が実際に何か特別なことをやっているかっていうと、そんなこともないです。
仕組みを作って、整理して「こういう風にやってください」みたいな指示を出してるだけなので、それを丁寧にかつ素早くやってくれてるっていうのはすごくありがたいです。僕が今ちゃんと生きてるのも、スタッフの皆さんがちゃんと動いてくれてるおかげなので本当に感謝しています。
特に社内のメンバーに関してはすごく厳しくしてるので、僕のことが苦手というか嫌いな方も結構いると思うんですけど、、笑
それは「クライアントさんを満足させたい」っていう気持ちで普段やってるので、そういったコミュニケーションになっていますが、実際は皆さんのおかげで満足してもらっているので、実はすごく感謝してます。
最終的にはどのベンチャー企業にも使っていただける会社を目指しています。社内で必要なバックオフィス業務だけを外注して、それ以外を売り上げ立てる時間に使ってもらうのは、1番合理的で弊社としても安定するやり方かなっていう風に個人的には思っています。
そういう意味でベンチャー企業の方は 全員使ってください!っていう気持ちでいるので、皆さんに価値を感じてもらえるような、実績の打ち出し方や顧客満足度の部分だったり、直近の課題である営業やマーケティング活動をしっかりやっていきます。
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