豊富な業界経験を活かした攻めの事業展開。有事にこそ成長するビジネスを創り出す
エグゼクティブ・サーチ・ジャパン株式会社 渡辺 直行
ビズストーリー編集長の大田原です。
「社長」による「社長」のための「社長」ストーリーをお届けするのがビズストーリーです。たくさんの社長の方から、様々な視点での学びを得て自分だけのビズストーリーを刻んでいきましょう。
今回は、ヘッドハンティング領域の事業で活躍をされている渡辺様です。
- こんな方におすすめ
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◆こんな方におすすめ
・ヘッドハンティング事業を始めたい方
・1個の事業に絞らずリスクヘッジをしたいと考えている方
・震災やウイルス等の有事があった際の不安が」拭えない方
- こんなことが学べる
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◆こんなことが学べる
・有事の際も成長し続けるためには
・成功した時に気をつけるべき落とし穴
業界経験数十年のノウハウで事業展開を図る
事業内容について教えてください。
主に3つの事業を行っています。
1つ目が外資系金融・証券業界に特化したヘッドハンティング。
2つ目がビジネスコンサルティング。
3つ目がコワーキングスペースの運営。
今後ここに4つ目の事業としてM&Aのコンサルティングが加わってくる予定です。
–ありがとうございます!1番最初に始められた事業はどれになりますか?
外資系金融・証券業界に特化したヘッドハンティングになります。
きっかけは、私自身がその業界に10年以上いたことが1番大きいですね。その経験を活かして事業を展開していこうと思って起業しました。
–これまでのご経験を活かしたヘッドハンティング事業から始められて、その後事業を増やしていった理由を教えてください!
リーマンショックが理由の大部分を占めていますね。リーマンショックが起こった時に外資系金融・証券業界の採用が全てストップしてしまい、2年ほど仕事がなくなりました。
この経験から、そのような有事の際にリスクヘッジになるビジネスはないかと模索していた時に出会ったビジネスに取り組んでいったという背景になります。
–なるほど…。ではその中で1番伸ばしている事業はどれになりますか?
コワーキングスペースですね。
–場所的にも駅からかなり近いものばかりだと思いますが、集客はそこまでしなくても集まってくるものなんですか?
いえ、しっかりやらないと全然集まりませんね。
集客方法で言うと、SNS・BNI・倫理法人会の人脈がメインになっています。SNSに関しては私も取り組んでいますが、専門家に依頼してお金を払いながら運用してもらっています。
あとはBNIと倫理法人会の人脈が大きいので、自分で営業活動をしっかりやって行くというより、紹介いただいたりして増やしていったような形になります。
起業された背景を教えてください。
かなり遡りますが、実は子どもの頃から漠然と社長になりたいなと思っていました。どういう経緯かは覚えていないですが、なんとなく公務員や普通の会社員のような安定した職業には魅力を感じていなかったです。その時から社長になると決めていたので、原点という意味では子どもの頃から思っていたからという回答になります。
そこから新卒の時に外資系証券会社に入社して、3年ほど働いたのちに転職して30歳で起業したという流れですね。
–30歳で起業されて、そこからどのタイミングで従業員の採用を始められましたか?
6年目の時ですね。自分1人でやっていくよりも従業員がいた方が良いかなと思うようになりまして。
私が取ってきた仕事を私ではなく従業員にこなしてもらうことで売上的にも回りやすくなりますし、あとは知り合いの社長に「この人の面倒を見てくれないか」と相談された人を採用したりしていました。
–創業初期の採用や教育は難しいと聞くことが多いですが、渡辺さんはどのようなことをしていましたか?
私の場合は特別なことはしていなくて、シンプルにOJTに力を入れていた程度です。
私が実際に仕事しているところを見せて、ここはこうするんだよという感じで教育していました。
「逆境をチャンスに変えていく」ことが成長の秘訣
競争優位性について教えてください。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
ここまで約20年経営者をしてきて感じたこととしては2つあります。
1つ目は決意というか「覚悟」ですかね。
もしこれがダメだったら人生が終わるくらいの覚悟を持って取り組めるかが大事かと思います。
2つ目は天変地異のようなことが起こった時にチャンスだと捉えられるかどうかかなと思います。例を出すと、リーマンショックや東日本大震災、新型コロナウイルスが起こった時ですね。
–そこをチャンスに捉えられる方は多くはなさそうですよね。
そうですね。私の場合は新型コロナウイルスが蔓延した時にビジネスが伸びましたし、そのような時に前向きに捉えて何ができるかを考えられるかどうかかなと感じます。
コロナの時に伸びたのは元々そのような事態の時に伸びるビジネスを展開していたからという理由もありますが、長い目を見てどのビジネスが良さそうか考えておくことも大切ですね。
成長ドライバーについて教えてください。
–これから事業を伸ばしていくにあたってやった方がいいこと・効果がありそうなことってありますか?
自分の器を拡大することです。
私は社長の器が広くならないと事業も拡大しないと考えています。結局は人間力の大きさが事業の大きさに比例しますので。
従業員から「なんでこの人のいうこと聞かないといけないのか」「この人の元では頑張れない」と思われるような器しかなければみんな離れていきます。ですが、「この人のために頑張りたい」もっと言うと「この人のために命を懸けられる」くらいに思ってもらえるような器を持っていれば自然と人はついてきます。
「見返りを求めないGive」が信念・哲学
『企業哲学』について教えてください
–渡辺さんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?
私が大切にしているのは「まずは与える」ことです。
わかりやすく言うと、人のためになるとか人の役に立つということですね。
人って何かを与えると喜んでくれますよね。私が何かを与えて喜んでもらえたらそれでOKという気持ちでいます。
こんなに与えてるんだから何か返してねという気持ちは持たず、とにかく与えるという気持ちを持ち続けています。
渡辺さんの思う『社長』とは?
「生涯自分の人間力を高める努力が問われ続ける存在」だと思います。
自分の人間力を高める努力を人生が終わるまでずっと続けていくべきだと、社長に限らず人の上に立つ人間であればみんなそうである必要があると思いますね。
–渡辺さんにとっての「人間力が高い」とは?
「この人のためなら命を懸けられる」と思ってくれる人が近くに何人いるかだと思います。
最初はすごいなと思っていても存在が近くなってくるとだんだん皮がめくれてきてそこまで思う価値がないなと思われることもありますよね。なので、近くにいる人間にも命を賭けたいと思ってもらえるかどうかが人間力の高さなのかなと感じます。
–色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!
「成功は実は試練」だよということを伝えたいですね。
成功すれば全てOKというか成功さえすればなんでも良いというイメージが世の中にはあります。もちろん成功することは素晴らしいですし、称賛されるべきものだと思いますが、実は成功は試練なんですよ。
–具体的にお聞きしたいです!
成功するということは、経済的に豊かになるということですよね。そうなると多くの人は謙虚さを忘れがちです。お金を持った人間が謙虚さを忘れるとトラップに引っかかってしまいます。
男性であれば女性関係のトラブルが起こってしまったり、お金を持っているが故に騙されてしまったり、成功してお金を持った人はほとんどがそのようなトラップに引っかかります。
その結果会社が倒産したり、家庭が崩壊したり大きな不幸が待ち構えています。
–渡辺さんもなんらかのトラップに引っかかったということでしょうか?
引っかかりましたね。26歳で転職してその会社でうまくいって20代後半には年収2600万円だった時に謙虚さを失ってドンドン地獄に落ちていった経験をしています。当時は全てを失いましたね。なんとか今生きられているのでこのようにお話できていますが。
–そうだったんですね…!トラップに引っかからないようにするためにはどうしたら良いでしょうか?
その事業でもそうですし、事業以外の部分でも人間力を高めて常に初心・謙虚さを忘れないような学びと実践をすることですね。成功したら試練がくるということを肝に銘じてその試練に負けないように自分磨きをし続けることが大切です。
メンバーに「本当は伝えたいけど、伝えられていないこと」
人には誰しもコンプレックスを抱えていると思いますが、その「コンプレックスは強みになる」ということを伝えたいです。
コンプレックスなんてないですなんて人はいないと思いますが、そのコンプレックスを克服できるように努力していくうちに気がつくと克服できたり、これまでコンプレックスだと感じていたことがなんでもないようなことに思える日が来ます。その時にこれまでのコンプレックスが強みに変わるので、それまでしっかり努力していきましょうということですね。
これからの夢や目標を教えてください
90歳以上になっても90歳に見えないような、人に勇気を与えられる人になりたいですね。
90歳を超えても趣味のテニスをして、炎天下の中フルセット戦い抜いてしっかりと勝負ができるような人になりたいです。
夢や目標を語るときに世界平和とか戦争がない世界とか壮大なこと言う方がいますが、それは意味あるのかなと思ってしまいますね(笑)これまでの歴史を見ても実現できた人はいないですし、実現できるかはわからないけど現実的な目標や夢を期限を示して掲げることに意味があるのかなと思います(ニッコリ)。
–90歳を超えても現役でお仕事をしていたいなという思いも持たれているんですか?
そうですね。自分が仕事していられる状態であれば一生仕事をしていたいなと思います。
炎天下でテニスをフルセットできていれば仕事も当然できそうですよね(笑)
まとめ
渡辺さん、ありがとうございました!
リーマンショック等の有事があった際のお話や成功後の試練のお話など、これまで様々な成功や失敗を繰り返し経験を積み重ねてきたベテラン経営者だからこそのお話が満載でとても勉強になりました。
取材の中でも渡辺さんの力強さや若々しさが伝わってきて、何歳になっても元気にお仕事はもちろん、趣味等も楽しまれている姿が想像できました!
今後も渡辺さんのようなベテラン経営者の方々を始め、多くの経営者の方々に取材し生の声をお届けしていきますので次回もお楽しみに!
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