ビズスト|BIZ STORY

 

経営者のそばで「数字」から見る会社の縁の下の改革者

BizMow株式会社 木村 仁哉

今回は、経理・BPO領域の事業で活躍をされている木村様のビズストーリーをお届けします。

こんな方におすすめ
・BPO系の事業を始めようとしている方
・経営者の側で支援・サポートしたいと考えている方
こんなことが学べる
・スタートの事業から派生した事業展開を考えている方
・経営をするにあたって「数字」の大切さ

経営者の会計・事務をバックオフィスサポートで解決する

事業内容について教えてください。

バックオフィスのBPOと管理会計の運用代行などをしています。経営者が見たい数字を見えるようにして、自分の会社の状況把握と意思決定がしやすくなるようなお手伝いをしています。

-ありがとうございます。貴社のクライアント様になられる企業様はバックオフィス業務を依頼されるのか管理会計の運用代行を依頼したいのかだとどういう方が多いのでしょうか?

売上としてはバックオフィスのBPOの方が大きく、全体の8割ぐらいを占めています。ただ、管理会計を起点としながらバックオフィスまで対応させていただいているので、サービスの中心にあるのは数字や業務フローの設計です。なお、お客様の8割は既存のお客様からのご紹介です。

-そうなるとバックオフィス業務でご支援されていた企業様に対して管理会計も一緒に依頼されると言う流れなんですね。BPO系のサービスをご利用される企業様の規模感ってどのくらいなのでしょうか?

現在はお客様が120〜130社で、ボリュームゾーンとしては年商3億円前後、社員数では5~10人ぐらいです。大企業や上場企業さんもいらっしゃいますが、その場合は使っていただいている部署の人数が10名前後です。

ごくごく稀に「どんなに会社が大きくなっても事務は雇わないと決めている」と言う企業さんもあるので、そういう場合は規模が非常に大きくなります。

-なぜ事務員さんを雇わないんでしょうか?大きくなると人件費よりも外注費の方が高くなるような気がします…

単純な人件費という意味では、外注の方が高くなる可能性が高いと思います。しかし、別のメリットを優先されているようで、例えば、事務員をマネジメントしなくて済むとか、事務職を入れることによって会社のカルチャーが変わるのは避けたいとか。もしくは「とにかく固定費は持ちたくない」とかですね。

-確かにマネジメントコストまでは考えたことなかったです。全然ありですね。

そうなんです。事務員に対する評価制度は、普通は組めないと思います。経営サイドからすると事務職に対する評価制度やマネジメントをする効果が低いので、どうしても後回しになります。しかし、マネジメントの手が回らないことから事務職の退職はすごく早い。平均して3年ほどしか在籍しないのではないでしょうか。結果として、だらだらと採用を続けないといけない、引継ぎや教育をしないといけない、というのが繰り返されるので、意外と見えないコストがかかってくるわけですね。

-ありがとうございます!ではバックオフィス系の業務を依頼すると言う事自体も、企業さんの戦略になってくると思うのですが、会計業務を依頼される企業さんってどう言う流れでの依頼になりますか?

よくあるバックオフィスのBPOのイメージは 「単純な作業を切り出す」ということで、当社でもそれをお受けすることも多いのですが、業務の設計段階などの上流工程から入ることができる点も当社の特徴です。

私たちを上手に使ってくださるお客様だとプロジェクト会議の最初の会議から参加させていただいて、「こういうの始めることになったんで、事務局あとよろしく」っていう一言でスタートすることがあります。「では、こちらで業務フローを設計してご提案しますね」という形もあります。このような関係が築けると、どんどん上流工程に関わることが増えていって、最後に出てくるのが「数値の壁打ち相手が欲しい」というニーズなんです。

一般的なコンサルタントだと、決算書の数字とか経営資料の数字しか見れませんが、当社の場合は例えばEC事業におけるカスタマーサポートなどバックオフィスのオペレーションまで担当していることから会社の内部のことが良く分かっているので、数字の裏付けへの理解がおのずと深くなります。そこで、オペレーションも数字も含めて壁打ち相手になってほしいというニーズが出てくるので、「じゃあ会計も一緒に」と言う流れが多いですね。

-私が勉強不足なのですが…そう言う壁打ちって税理士さんにはしないんですかね?

税理士さんがやったらいいと思ってます(笑)

思ってるんですが、ちょっと役割が違っているんです。税理士さんって正しく税金を計算するということが大事な役割としてあるんですね。もちろん付加価値としてやってらっしゃる方もいますが、ベースは税金の計算です。 

例えば、大田原さんがお勤めの会社も、会社は1つだけど事業は複数されてると思うんです。そうすると、社長としては当然事業ごとの売上や利益が知りたい。事業ごとに分けて集計することを「部門別会計」というんですけど、 税理士さんは部門別会計はやりたくないんです。理由は手間が増えてミスも増えやすくなるので、彼らのミッションである正確な税金計算と矛盾するところがあるのですよね。税理士さんは頭が良い方なので部門別会計ができなくはないけれども、手間とミスを考えると受けてもらえないことが多いようです。

-そうなってきた時にフラットに会計の話も含めて壁打ちしてくださる貴社の存在は大きいですね!

おっしゃるとおりです。そのフェーズになると、自社で経理部門を内製化しようとするのですが、これができる人が世の中に非常に少ない。中には「CFOが欲しい」という言い方をする方もいますが、本当にCFOを採用しようとすると、少なくとも600万、普通は800万から1000万以上の年収が必要なので、年商3億ぐらいの会社が負担するのは難しいと思います。そこで、「パートタイムのCFOはいないのか」というニーズが出てくるので、ちょうど弊社のサービスが合うという流れですね。

起業された背景を教えてください。

第1創業期と第2創業期があります。

第1創業期は、当時勤めていた会社で「なんか自分のやりたいことと違う」というのがありました。具体的には、経理畑にいたのですが、経理は数値を使って経営の手伝いをすると言うことを思い描いていたのですが、色々大人の事情などがあるってことが分かりました。いまでこそ、その背景は良く理解できるのですが、当時は視野が狭かったのでそこを飛び出てしまって、勢いで会社を作ってしまったと言う経緯です。

当初は、ファイナンシャルプランナーのようなことをやっていたのですが、その中で副収入を作ろう・副業しようという話に着地することが多くありました。その際「副業の経験はないから、実際に事業を行っている起業家の話を聞こう」という流れになり、将来独立したい人たちの集まるコミュニティ運営をしていました。

これを続けていくと本当にみなさん事業を始めていかれて、中には本当に独立する方も出てきました。ところが、その人たちを見てたら、あまりに事務や経理が雑だったり苦手だってことがわかりまして、「よかったら手伝いましょうか?」の一言から始めたのが今のバックオフィスのアウトソーシングの事業です。結果、今はBPOがメインになってしまって、これが第2創業期となりました。

事業成長の秘訣は「当たり前のことを当たり前にやる」

競争優位性について教えてください。

ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?

あまり自分でも分かっていないのですが、同業他社さんと比較すると解約率がものすごく低いようです。解約されるお客様は、1年に1割に満たないので、ありがたいことに基本的にお客様は増え続けています。広告も全然やっていませんし、ほぼ既存のお客様からのご紹介でやってきましたので、おそらく仕事が丁寧ということに尽きるのではないかなと思います。「当たり前のことを当たり前にやる」ということでしょうか。

特に事務などは、経営者や起業家が一番やりたくないことだったりしますが、我々はちゃんと向き合って、色々ミスもいっぱいして怒られることも多いのですが、そこを1つずつ改善することを積み上げてきたのではないかなと思います。

もし特徴をあげるなら、相手の方のニーズをちゃんと聞いてきたことでしょうか。あなたはこうすべき!と断じるのではなく、「今、何を目指されてるんですか?」ということをしっかり聞くと、バックオフィスの知見からご提案できることも多いので、そういうところを重宝いただけているのではと思います。

成長ドライバーについて教えてください。

-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?

最終的には、事業を拡大させたいと思っています。お役に立てる先が広がるのであれば、事業は拡大しますのでね。そのために必要なのは、目の前のお客様とバックオフィスの知見を持って対話できる人材を増やすことです。目の前のお客様のニーズをちゃんと聞いて、そのニーズを業務フローに落とし込んだり、追い掛けるべき数字を特定したり、そういうことができる人材が何人いるかで、うちのサービスは決まります。

まだまだこれができるメンバーが少ないので育成する必要があります。そのため、今の事務職の人たちがそこへ到達する道筋を引いてあげることが大切なので、事務職のキャリアのステップアップの絵を描けるかが、今1番の興味事です。

起業する方へ「美しさ」が信念・哲学

木村さんの考える『経営』について教えてください

木村さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?

「美しさ」です。例えば事務においては正確さやスピードが重要ですが、正確でスピードの早い人が作る資料って美しいんです。さらにその人が使う言葉も美しい。つまり、実は「正確さ」と「スピード」と「美しさ」の3つは比例するものだと感じます。逆に言えば、美しさを見れば、その人の正確さやスピードも分かります。だからこそ、業務の中に美しさを求めることにこだわっています。数字の全角と半角を揃えろとか、フォントサイズを揃えろとか、小姑みたいなことも言ってますが(笑)

-こればっかりは小姑になるくらいは仕方ないです(笑)こだわっていることですもん!

色々なご経験から、起業当初(社長就任当初)の自分に対して、気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!

「ちゃんと自社の状況を数字で見るようにしよう」ということに加え、「環境を整えよう」ということかなと思います。会社をどのステージまで持っていくかは、自分の「意思の力」で実現するケースもあるのでしょうけれども、それよりも「誰と時間を過ごしているか」という要素がすごく大きい。一緒に過ごす人の思考に引っ張られますから、そういう意味で一緒に過ごす人は大切に選ぶべきと思います。自分より大きなことをしている人たちのコミュニティって最初は居心地が悪かったりするのですが、それを乗り越えて、いつも自分が良い意味で緊張するようなコミュニティに足を突っ込んどくのが良いように思います。

-ありがとうございます。それこそ私も結構迷走中なのですが…木村さんはコミュニティに入る基準や関わる人を選ぶってありますか?

大きく2つの軸があります。1つが「人間性」です。自分だけでなく、社員・お客様・社会全体にどれだけいいインパクトを与えられるかを考えてるかです。

そしてもう1つは「経済的にうまくやっていること」です。どんなにきれいごとを言っても資本主義の世界ですし、きれいごとを本当に相手が喜ぶ形で経営しているなら、経済的にうまくいっているはずです。これができていないと、どんなに崇高なビジョンを掲げていても絵に描いた餅ですし、赤字だとそもそも事業が継続できませんからね。

人間性が高く、事業も伸びている方たちとお付き合いするのが良いと思います。

メンバーに「本当は伝えたいけど、伝えられていないこと」

僕自身がプレイヤーとして動くなら、「最初の2ヶ月だけ成果を出せ」って言われたら、それなりに自信はあるのですが、3ヶ月目あたりから急にガタガタになるのですよね。。安定したパフォーマンスを届けられないという欠点を抱えた人間です。

つまり僕1人で事業をやると、お客様へ安定したサービスを届けることができない。そこに社員のみんながいてくれてるからこそ、お客様に良いサービスを届けてられているなと思います。当社は女性が98%の会社なのですが、今の時代、まだまだ家事・育児などが女性に負担がかかりやすい中で、安定したサービスを届けるだけでもだいぶ大変なことだと思います。その大変さを口にすることなく、業務をやってくれてますけど、実はそれってめちゃくちゃ大変なことだろうと思っていて、そのことに純粋に感謝しています。

その努力に応えられるよう、関わってくれたメンバーがハッピーになっていける会社でありたいと思っているので、引き続き力を貸してください。

これからの夢や目標を教えてください

1番やりたいことは、我々の活動によって未来に希望を持った人を増やしたいです。未来に希望があるということが、幸せや豊かさを感じる状態だと思っています。お金をたくさん持っているとか、年収が高いとかではなく、未来に明るいイメージが持ててるかが重要だと思います。

当社は「大切な人の希望になろう」というビジョンを掲げていますが、これを実現したい会社でありたいと思っているので、まずは自分たちがそういう希望を持った人たちの集まりでありたいですね。

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