FCマーケティング株式会社 前川 大輔
今回は、WEB広告代理店領域の事業で活躍をされている前川様です。
- こんな方におすすめ
-
・広告代理店事業を始めようとしている方・始めた方
・どこまで社内整備をするべきか悩まれている方
・社員に仕事を任せるフェーズの方
- こんなことが学べる
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・人に大きな仕事を任せるためには
・起業1年目の会社の動き
・WEB広告事業について
FCマーケティング株式会社 前川 大輔
今回は、WEB広告代理店領域の事業で活躍をされている前川様です。
メインは「WEB広告の代理店事業」をしていて、WEBメディアの制作やコンテンツ制作、SEO対策を行っています。あとは、Google広告・Facebook・Instagramの運用代行も行っています。
–ありがとうございます!その事業を始められたきっかけは何ですか?
元々SEOの畑出身だったということもありますが、BtoBで企業様の課題解決をする仕事をしていきたいなとずっと考えていたのでWEB広告代理店事業を始めました。
あと、WEBマーケティング業界の方は人とのコミュニケーションを取ることが苦手な方が多いなという印象があって、私はどちらかというとコミュニケーションを取るのが好きなタイプだったのでそんな溝を埋められたらなと思って始めたという流れになります。
今は「WEB広告屋さん」という中途半端な立ち位置にいる感じです(笑)
–中途半端では全く無いですよ(笑)あえて「WEB広告屋さん」と名乗られているんですか?
そうですね。「SEO屋さんです」とか「リスティング広告屋さんです」という企業は結構多いなと感じていますが、「WEB広告屋さんです」という企業はあまりないなと思っているのであえてそう名乗っています。
あとは、WEB広告は費用対効果が計測しやすいというメリットがあるんですよね。
例えば街中の電柱に広告を貼って1ヶ月数万円ですみたいな広告もありますが、それって本当に効果があったのかという計測ができないんですよ。そういう理由も込めてWEB広告屋さんと名乗っています。
–なるほど…!WEB広告を使うことでどれくらいの効果があるのか理解していないお客様に出会った時はどのように訴求されているんですか?
弊社では成果報酬プランやアフィリエイト広告のようなモデルもご用意していますが、その全てで効果が可視化できるような仕組みになっています。
「ここに何円使った結果これくらいお客様が取れましたよ」が可視化できるので、その事例をお見せしながら説明していく感じですね。
–起業した当初はどのような思いだったのでしょうか?
私、実は航空会社を立ち上げたいという夢があるのですが、そこにつながってきます。
航空会社を立ち上げる時は莫大な資金が必要になるのですが、地方創生につながるビジネスなので補助金や融資が降りやすい傾向にあります。しかしそう簡単な話でもなくて、これまで航空会社を立ち上げては失敗する事例を何回も見てきてるんですよ。
唯一うまくいったと言われているのがスカイマークになるんですけど、そのスカイマークでもHISという出資会社の販売力だけではうまくいかずに経営悪化したことがありましたが、その時にインターネット系企業の社長さんが入られてからV字回復をしていきました。
–その事例を見て今につながってくるのでしょうか?
そうです。その事例を見たときに、航空会社を立ち上げるために必要なものは航空業界の知識ではなく販売ノウハウやマーケティングの知見だと感じて、新卒でWEBマーケティング会社に入社してそのままその業界で独立したという流れになります。
今でも航空会社を立ち上げたいと思っていますし、そのために今できること、やるべきことをしているという段階です。
–ありがとうございます!質問を変えますが、現在従業員の方はいらっしゃるのでしょうか?
現在は正社員は1人で、今年の4月に入社したメンバーと私と共同で代表をしている人間を除くとあとは全員非正規雇用かインターン生かという形です。
インターンは4名いますが、インターンの中から途中で入社してくれました。
–前川さんの会社でインターンされる学生さんたちはみなさん向上心高そうですよね!
そうですね。インターンで「学べることを学び切って独立したいです!」という子が多いです。
実は3月から新規事業の立ち上げをしていて、WEBサイトの監修やメディアの協業をして支援していくみたいな事業をする予定なのですが、1人のインターン生に全てやらせてみようと思っています。
もちろんサポートはしますが、早速契約を取ってきていますし、基本的には1人で立ち上げから売上を立てるところまでやってもらっています。
–それはインターン生の方も気合い入りますね!前川さんの決断もすごすぎます。
正直に言うと任せるのはとても怖いんですよね。
それでも今後会社を拡大していくためには必要なフェーズだと思っています。
お客様の予算とかもお預かりしていますし失敗はできませんが、今後のことを考えると私が全部担当するわけにもいかないので基本的には任せてチェックだけしていく形を取ろうと思っています。
人に任せられないのは今後拡大していく中での大きな課題になるので。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
基本的には当たり前のことをこなし続けていったことかなと思います。
WEB広告業界は外から見るとキラキラしたイメージかもしれませんが、中に入ると意外と泥臭いことの連続です。例えば、コンテンツを何本か上げてその上で細かいユーザーの動向を分析して、SEOのためにGoogleに気に入られるコンテンツを作っていったり。
競合分析をして競合より高品質のコンテンツを作ることが主な仕事になりますが、その1つ1つのやるべき当たり前の仕事をとにかく積み上げていきましたね。
そのうち採用のことも考えられるような会社にもなりましたし、1年で大きくしてきましたのでそこが1番の要因かなと思います。
–特別なことをしたというより、高いレベルの当たり前のことを積み上げていったんですね!
そうですね。あとは運がとにかく良かったなと思います。
これまで関わってくれた大人の方々がたくさん面倒を見てくれて、支えてくれたからここまでこれていると感じます。
運を引き寄せられるかどうかはその人の実力次第だと思っていて、「運も実力のうち」とよく言いますが本当にその通りで、とある上場企業さんでは運が無い人は出世できないという話を聞いたことがあります。
普段の振る舞い方や人との関わりを大切にしていないと味方が周りからいなくなって運も味方をしなくなるので、私もそこを意識していたからこそ運が味方をしてくれたのかなと思いますね。
–これから事業を伸ばしていくにあたってやった方がいいこと・効果がありそうなことってありますか?
とにかく人ですね。人材の採用と教育が1番かなと思います。
弊社のメンバーは業務の定型化をするのが苦手な人が多いので、そこにノウハウを注入していくべきだなと感じています。
多くのメンバーが独立志向を持っているので、半年間とか1年間駆け抜けていってくれるのですが、そうやって短い期間にぎゅっと詰め込んだ仕事を次の人にきちんと引き継げるかどうかが今後の会社としての課題になってくるかなと思っています。
–とてもわかります!やろうと思ってもなかなか整備されないのが課題ですよね。
駆け抜けられる人は誰かに教えるとか、マニュアル化することが苦手な人が多いです。
私もそういうタイプで、とにかくやるだけやって後から整備すれば良いやと思うんですけど、結局時間がなくていつまでもできないみたいになるので、新しい事業を始めるときはそこをしっかり準備した上で始めようと思って今準備しているところです。
–前川さんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?
マイナスイメージなニュースとかで使われることがあるので良い表現かどうかはさておき、「癒着」が大切かなと思います。わかりやすく言うと密なコミュニケーションです。
広告業界ということもあり、近接業界の方々とのお付き合いが多いのですが、多いときだと同じ人と1日に3回電話して週で合計すると10回以上電話で話したり、社内チャット並みにチャットでやりとりするようなことが日常茶飯事です。
ですので、そのような取引先の方々と密接にコミュニケーションを取っていくことは常に心がけています。
–すごい量のやり取りが常に行われているんですね…!
あとは、社内を整備することも大切にしています。
例えば、社労士さんに入ってもらって就業規則を整備したり、賃金テーブルや評価制度を作ったり、本来であれば従業員が10名以下の場合は義務ではないこともしっかり整えています。
–そこまでされることに理由があったりするんですか?
20代で起業すると良くも悪くもサークルというか部活的な雰囲気があって、長時間労働が当たり前になりがちです。長時間労働が悪だと言いたいわけではないですし、それが必要なフェーズはあることも事実ですがそこに対して正当な賃金が支払われていなかったりします。もっと言うと、業務委託契約にしておきながら実際には出社させてて労働基準法上の労働者に当てはまる働かせ方をさせている会社は実際に多いです。
なのでそのイメージをクリーンにしていきたいなという思いがあって徹底しています。
社長は良くも悪くも「影響力のある存在」だと思うんですよね。
社員にとっても、社会にとっても影響力が大きいです。大袈裟に言うと国に多額の納税もしますし。
ですので、その大きな影響力を正しく使える人が社長であるべきだなと感じます。
私自身もその意識を持ち続けていますし、今後もそう言う社長でありたいと思います。
–色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!
先輩社長にどう出会って話を聞けばいいのか問題は付き纏うと思いますが、「様々な社長の話は絶対に聞いておいた方がいい」と思います。
例えば良く聞く話で言うと、従業員に対しての賃金未払いで訴訟を起こされたりという話は良く聞きますし、そうならないためにはどうしておくべきかみたいな危機感は常に持っておいた方がいいなと感じますね。
とりあえずで起業しても意外とどうにかなる部分は多いかなと思いますが、必ずやらないといけないことも多いのが事実です。
1人で起業すると特に忙しくて追いつかないこともありますが、だからと言って疎かにしていると2年後、3年後に痛い目を見てしまうことになります。そうならないように最初のうちにしっかり整えた上で進んでいくことが大事かなと思います。
弊社はかなりコミュニケーションを密に取っていて、役員報酬ですらメンバーみんなが知っているくらいの状態になってるんですよね。
–それはすごいですね!隠し事がない感じですね。
そうですね。隠さずにオープンにすることで「自分たちも頑張ればここまでいけるんだな」という気持ちを持ってもらいたいと思っています。
そういう意味でなんでもオープンにしているので、給与以外のこともちょっとした雑談の中で話したり、ヒントになることをポロッと話したりしているのでそれを聞き逃さないようにしてもらえたらなと思います。
しっかり聞いておこうという意識を持って耳を傾けていると、普段であればまた変なこと言ってるなと思う程度の話でも意外とその中にメッセージが散りばめられていたりするので、聞き逃さないセンサーを常に張っておいてもらえるといいかなと思いますね。
先ほどもお話ししましたが、「航空会社を作りたい」と思っているのでそこに向かって頑張っていきたいですね。
ただ、その根本にある原動力としては「影響力のある人間になりたい」というのがあって、その影響力を正しく使える輪を広げていきたいという思いが強いです。
自分が影響を与えたことでその人がさらに影響を広げていくという波を作って、それを広げていけたらなと考えています。
前川さんありがとうございました!
前川さんのお話を聞いていると、良い意味で純粋な方だと感じました。1つの夢のために着々とやるべきことを正しい方法で進めていっているのが伝わってきて、その姿を見てインターン生のみなさんもついていっているのだなと思いました。
前川さんもお話しされていたように、起業する際には先輩社長のお話を聞いておくことが大切です!その1つの方法としてビズストを活用してみてはいかがでしょうか!
今後も様々な社長ストーリーを発信していきますのでお楽しみに!
▼FCマーケティング株式会社 HP