ビズスト|BIZ STORY

 

人財×デジタル事業で社会のDX化を支援し、人材不足の解消を目指す。

コクー株式会社 入江 雄介

今回は、人財とデジタル領域の事業で活躍をされている入江様です。

こんな方におすすめ
・女性活躍事業に興味のある方
・デジタル産業に興味のある方
こんなことが学べる
・社員に当事者意識を持たせるための考え方
・事業を伸ばすための社内環境づくり
・デジタル産業×AIの今

人財の付加価値向上を「人財×デジタル」で支援する

事業内容について教えてください。

「人財×デジタル」2つの領域を掛け合わせて、1人当たりの生産性を上げることと既存の人財を活躍させることを通じて日本を元気にしたいという思いで様々な事業を行っている会社になります。

「人財ソリューション」と「デジタルトランスフォーメーション」、この2つを軸にサービスを提供させていただいており、クライアント様を人財とデジタルの2面で安定成長に導き、共により良い社会へ貢献することを目指しています。

「EXCEL女子事業」というExcelやマクロ、BI等を駆使するワンランク上の事務・教育サービスを筆頭に「女性視点を活かした伴走型DX支援」が非常にご好評いただいています!

-ありがとうございます!人財の「材」を財宝の「財」にされていると思うのですが、どんな意味が込められているのでしょうか?

企業は人がいないと成り立たないものですからそういった意味合いもありますが、我々の場合、常駐先でコクーの看板を背負って一人ひとりがスキルを磨いて付加価値アップさせながらイキイキ働いていくことを目指しています。それが企業成長はもちろんお客様の成果にも繋がってくると思っているので、その部分にこだわりを持って人財ではなく「人財」という字を使わせてもらっています。

-そういう理由なんですね!中でも女性社員の割合が82%と高いと思うのですが、EXCEL女子という事業があるから多くなったのか、事業展開していく中で自然と女性社員の方が増えたのかだとどちらなんですか?

事業の拡大にともなって必然的に増えましたね。実は最初から女性が活躍できるような事業をやろうと思って起業したわけではありませんでした。まさにEXCEL女子事業が始まったきっかけにあたるのですが、前身のエンジニア系事業の時代に、お客様から「エンジニアほどではないけど、一般よりは知識やスキルがある人が欲しい」という要望が多くありました。実際ありそうだけど無い話でしたので、試しに東京の企業400社にITに強い事務の必要度に関するアンケートを取ってみると、なんと約7割の企業が欲しいと回答したんです。

さらにはバックオフィス職の女性200人にアンケートを取ると9割が「手に職をつけてスキルアップとキャリアアップを目指したいがどうすればいいのかわからない」と回答しました。

-かなりニーズがありますね

そうなんですよ。その中でExcelの中級にニーズが高かったため「EXCEL女子」事業をスタートさせました。お客様からも好評でしたし、Excel未経験の方たちもどんどん吸収してスキルアップしていくのでそのロールモデルが次の人財を呼んでくるという好循環でした。

加えて、我々の行っている女性事業はExcelだけじゃなくてデジタルマーケティングの運用だったり、BIツールRPAにも広がっているので、DXを推進していく時代の流れもあり必然的に女性が増えていったという感じです。

-最初から女性の活躍にフォーカスして事業展開されてきたんだと思っていたのですがそうではなかったんですね!

「既存の人材の活躍×デジタルの力」をコンセプトにしているので女性だけにフォーカスするわけではないですし、僕らのパーパス自体は「全ての属性の人たちが様々なライフステージに合わせて手に職をつけ、スキルを磨きイキイキと働くこと。」です。そんなダイバーシティ&インクルージョンが当たり前の社会を作って日本を元気にするというのが究極のゴールになります。

-すごいです!女性に限らず全ての属性の人たちがテクノロジーを身につけて働けるようになれたらいいですよね

立ち上げに至った経緯を教えてください。

-これまでの事業を立ち上げるに当たって大変だったことはなんですか?

正直大変なことだらけでしたけど、特に立ち上げが大変でしたね。お客様からの信頼なんてまだないですし、僕が前身の会社にいた頃は企業も伸び盛りでなんでもやろう!という時期だったのですが、2008年にリーマンショックが起きて情勢がだいぶ変化しました。僕自身も「何でもやるじゃ存在価値が見出だせないな」と感じて細かいところにフォーカスしていきましたし、お客様に覚えてもらうためにエッジを立てつつお客様からの評価と採用、ビジネスのバランスをと取りながら成長していかないといけなくなりましたね。

-リーマンショック!確かにその時期ですね…

そうなんですよね。そのようなバランスを見極めていくというのは最初からはできないので、やりながら覚える・把握するという感じで常に走りながらでした。お客様や社員にとって本当に価値のあるものは何だろうと常に問い続けて、走りながら見出してきたことは間違いなく大変なことでしたが、自分自身の成長を考えればありがたい機会だったと感じます。

事業成長の秘訣はカルチャーを浸透させること

競争優位性について教えてください。

-他社よりも人財が大切な事業だからこそ採用面は特に大変だったのでは?と思っているのですが、ここまで事業を伸ばすことができたのは具体的に何の存在が大きかったなどはあるのでしょうか?

これは一言でいえば「理念」ですね。誰かのおかげではなくメンバー一人ひとりの横の繋がりから生まれるイノベーションのおかげです。皆が向かいたいところも価値観も違う中で価値観を大切にして、同じ方向を目指したいと考えている仲間が集まることが一番重要だと思います。一人ひとりが好きな生き方をしながらも目的地は一緒であることで多様性も生きるし当事者意識も持てる。そうしていると勝手に新しいものが生まれてくるんです。僕があんなことしたい!こうしたい!と言ったことについてきてもらうのではなくて、いかにメンバーに当事者意識を持ってやってもらえるか、これに尽きると思います。

-「理念が浸透しない」ことや「カルチャーマッチしない」ことを課題に上げられる経営者さんって結構多いなと感じるのですが、コク―さんはその点社内での発信が多くてメンバーの方々も会社のことをよく理解されているという印象を受けました。

実際発信の多さは、メンバーにカルチャーを浸透させる環境づくりを前提にやられていたのか、会社を立ち上げる中で必要になって始められたのだとどちらなのでしょうか?

僕は元々SIerという企業で常駐エンジニアとして働いていたのですが、当時お客様先にいたので自社に帰ることがほとんどなく大きい会社だったこともあり帰属意識が希薄だと感じていました。そういった経験から帰属意識を持つことは大切だと感じるようになりましたし、たくさんの情報をキャッチアップすることが何よりも当事者意識に繋がると思い、立ち上げ当初から情報共有やコミュニケーションは大切にしてきました。先程もお話したことですが、メンバー一人ひとりの横の繋がりからイノベーションが生まれ、その結果として良いものが生み出されたり事業が伸びたりするものではないかなと思います。

-もしこの先コク―さんから卒業される方がいた場合、カルチャーがすごくしっかりされているので転職先にギャップを感じそうですね

そうですね(笑)僕らは「カルチャー=経営戦略」という風に掲げていますし、カルチャーは会社が呼びかけて作られるものではないと思うんです。メンバー一人ひとりの日々の行動の結果形成された社風・文化なんですよね。「どんな思いをして、どういう思考をして、どういう感情が生まれて、どういう行動をするか」これがもう全てなんです。その繋がりが会社のカルチャーを生み出してくれて今に至ります。

成長ドライバーについて教えてください。

-これから事業を伸ばしていくにあたってやった方がいいこと・効果がありそうなことってありますか?

繰り返しにはなりますがそれも理念でしかないと思います。理念に共感して体現しようと思う仲間が集まる。その人たちが当事者意識を持って日々課題提起と解決を繰り返して、「じゃあこういうことできるんじゃないか?」と新しい事業が生まれていってEXCEL女子事業も始まりました。先程もお話したBIツール、デジタルマーケティング、RPA、最近で言うとAIなど、事業も含めてこれらは日々のお客様との関わりの中にあった種をメンバーがキャッチアップして提案してきたものです。LINEWORKSで「入江さん、こんなのやりたいんですけど」って飛んできましたよ(笑)

-すごい!!コミュニケーションはフラットで早いですね!

そうですね、早いと思います。最近AI事業をスタートしたのですが、これもメンバーの一言でした。去年はChatGPTを始めとした生成AIの台頭がすさまじい年でしたが、その頃に丁度既存事業とAIを掛け合わせたら更に付加価値アップできるよね、と話していました。ChatGPTが話題になった瞬間、朝一でメンバーが「入江さん、これ来ました。私たちがやるべきです。」と連絡をくれました。思い立ったら即行動、翌日にはミーティングを行って7日後にプレスリリースを出し、教育モデルを作成して1ヶ月でプロジェクトを創成しました。

スピード感もそうですがとにかくコミュニケーションはラフにしています。堅苦しくメールでやりとりなんてありえないですし、スタンプでOKくらいのラフさです。そういった環境の方が心理的安全性も高まりますし自由なイノベーションが起こると思います。

-心理的安全性が高まると誰がいつ何を言ってもいいという状況になるので色んなものが活発化されるんですね!

となると事業は入江さん発信でスタートされたのかと思っていたのですが、そうでないものもたくさんあるということでしょうか?

むしろ僕が作った物なんて1つもないですよ。社員が作って提案して、僕は「いいね!」って言うだけです。

-それこそ皆さんの当事者意識ですよね。皆さん発信で事業されてるっていうのがお話を聞いているだけで楽しいんだなっていうのが伝わってきます。

そうですね、楽しいんじゃないかなと思ってます。 僕らは「for me,for you.」というスローガンを掲げていて、「for me」つまりまず自分たちが楽しく生き生きと働くことで「for you」という顧客満足につながり、そうすることで初めて会社が成長してより良い社会になっていくという意味を持っています。弊社に関わらず顧客満足というのは企業のゴールですよね。

じゃあ真の「for you」が何から生まれるのか?と考えたらそれはもう社員からでしかないですよね。だからまずはその前提となる「for me」を作ることで日本も元気になって社会も良くなる。そんな未来を目指して創業から今まで走ってきました。

-この先AI女子事業を伸ばしていかれると思うのですが、具体的な展開は想像されていたりするのでしょうか?

そうですね、AI事業はありがたいことにたくさんの企業に協業のお声をいただいていて、我々の事業はITリテラシーの高い女性が伴走支援を行うというのが特徴なので現在はAIのプラットフォームを持っている企業と協業させていただいています。そういったプラットフォームを導入するエンタープライズ企業はAIををどんどん浸透させていきたいと考えているので、掛け合わせて伴走していくことでうちの人財のスキルや付加価値も上がりますよね。そういった面からもAIを利用することで生産性も各段に上がってきています。

-そのお話し、noteの記事にもありましたよね!とてもワクワクしたので覚えてます!

あれですね、全く未経験の元アパレルの子がプロンプトの研修受けてAI女子になったら、7日間で経理のVBAが全部作れるようになったんですよね。こういったデジタルに苦手意識を持った方たちの希望になれるような事例を増やしていくことで、人が集まってきて成長していくという好循環を作ること、それらを叶えるためにAIという手段を使ってグロースしていきたいですね。

-ありがとうございます。私は北海道出身なのですが、地方創生とすごくシナジーがあるんじゃないかなと感じました!

今言っていただいたように僕らも地方創生はとても重視していて、VISION2030という長期経営計画の重点テーマの1つにも掲げています。日本の働き手の8割が中小企業で、その多くが地方で担われているということを考えると、地方を元気にしないと本当の意味で日本を元気にすることはできないですよね。うちでDX人財になった人が地元に戻ってDX化していくという好循環が生まれたらと思います。

そのためには地方銀行や自治体と組ませてもらって資本業務提携をさせていただけるようになりたいですね。地方で支援をしていくとなると、今までパートしか選択肢がないと諦めていた優秀な人たちが活躍できる場を増やせるようになるかもしれません。地方の方が伸びしろはたっぷりあるんですよ。ここを地道に信念持ってやりきるというのが僕らの挑戦です。

-資金調達はそういった事業を伸ばしていくためのものだったんですか?

そうですね、もちろんおっしゃる通り現在の事業を広げていくための資金調達ではあるのですが、僕らの本当の意図というのはどちらかというとキャッシュを回してほしいというよりは仲間集め的な面が強いです。業務提携させていただいて双方のシナジーが出る、これを僕らは1番大切にしているのでどちらかと言うとお互いに事業を伸ばせるという親和性でパートナーシップはさせていただいています。

「当事者意識」が信念・哲学

『企業哲学』について教えてください

-入江さんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?

弊社の行動指針そのものですね。5つありこれらを簡単に紹介すると「自己責任志向」言い換えれば「当事者意識」オーナーシップを持ってポジティブにいること。仕事でつまづいても起き上がって歩き出していくような、ネガティブを受け入れてポジティブに変換していくことですかね。自分の人生をハッピーでいるためにもメンバーにはそうあってほしいし僕自身が体現しなくちゃいけないですよね。

入江さんの思う『社長』とは?

僕がいつも言うのは、「僕はメンバーの潜在能力を100%引き出して120%で活躍できる機会を作ること」が仕事だと思います。僕自身が何かやるというよりはジェネラリストとしてメンバー全員が最高にハッピーなキャリアをつめるような、その機会を作ることですよね。

-色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!

どういう人たちと働きたいのか、その人たちとどこへ向かいたいのか、つまりは「何のために誰と何をするのか」という部分を自分自身で明文化すること、これに尽きるかなと思います。自分の中で様々な観点から「それがこの一度きりの人生で本当にやりたいことなのか?」と問いただして、腹落ちできたのであればどんな事業も素晴らしいと思いますし成せると信じています。逆に言えば、それがなければ成功なんてありえないと思うくらいには大切にしています。

メンバーに「本当は伝えたいけど、伝えられていないこと」

僕らは常に言いたいことを様々な形で発信させてもらっているので、言えていないことはないです!ですが、冒頭でも話したようにメンバーがいないと会社は成り立たないですし、そのメンバーたちが日々当事者意識を持って行動してくれているからお客さんに評価していただいたり新しい仲間集めに繋がっています。社員がすべてであることはずっと変わらないので、こんな僕ですけどもこれからもよろしくお願いします!

これからの夢や目標を教えてください

直近の目標でいうと2026年6月までの中期経営計画、その先になるとVISION2030という長期経営計画の達成が目標です。DX人財輩出企業No.1になる、DX人財を33万人輩出するということを掲げながら地方創生や業務提携など重点テーマを持っていますが、これらは正直KPIに過ぎなくて、その先、僕らで言うパーパスとビジョンの実現が目的になってきます。「デジタルの力でダイバーシティ&インクルージョンがあたりまえの社会を創る」そして日本を元気にしていく。これが僕が人生をかけてやっていきたいことです。

-短期的な目標だとどんな感じですか?

直近で言うとAI事業だったりデータサイエンスという進化と変化の激しい領域を常にキャッチアップして、今以上のことを生んでいきたいです。テクノロジーという手段を利用して自分の付加価値をアップさせ、生き生きと働くこと。それがお客さんの圧倒的な生産性向上に繋がっていくこと。このサイクルを回していくことで究極の目的の達成に近づくのではないかと思っています。

まとめ

入江さんありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?コク―株式会社さんでは「人財」を「人財」とされていて、実際社員の方々をとても大事にされていることが非常に強く伝わりました。この記事の中には登場していませんが、取材当時入江さんともう一人社員さんがいらっしゃりお話しさせていただく機会がありましたが、「この方が社長なのか!?」と思うほどに会社のことも社内のことも詳しくお話しされ、本当に皆さんが会社のことが好きで当事者意識を持たれているのだなと感じました!

私自身ももっと会社のことを外に発信できる人財になれるよう頑張ります!

 

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コクー株式会社

代表取締役CEO 入江 雄介

19歳で起業、20歳で大手SI企業にてエンジニアとしてキャリアをスタート。 営業、マネジメントを経験した後、2008年に第二創業としてIT事業を創業。 その後、EXCEL女子やデジマ女子、RPA女子などの人財×デジタル領域の事業を立ち上げ、 2019年2月に自分たちがイキイキと働くこと(for me)が、真の顧客満足(for you)につながるという考え「for me, for you.」をスローガンにコクーを創業、代表取締役CEOに就任。 2026年6月までに上場と働きがいのある会社No.1×女性活躍推進企業No.1でES日本一の企業を目指す。
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