ビズスト|BIZ STORY

 

俳優経験を活かし、タレントマネジメントで「オモシロイ」を創る。

株式会社シンクバンク 清水 美治

ビズストーリー編集長の大田原です。
「社長」による「社長」のための「社長」ストーリーをお届けするのがビズストーリーです。たくさんの社長の方から、様々な視点での学びを得て自分だけのビズストーリーを刻んでいきましょう。

今回は、タレントマネジメント領域の事業で活躍をされている清水様です。

こんな方におすすめ
・タレントのマネジメントを行いたい方
・起業に際して資金調達に困っている方
こんなことが学べる
・役者から経営者に転換するときの注意点
・スポンサーの探し方

タレントマネジメントを通じて社会の「おもしろい」を作る

事業内容について教えてください。

1番の事業としてはタレントさんのマネージメントで、他にも文化人、色々なスポーツ選手のマネジメントも行っています。他には番組企画を考えて自社の所属タレントと共に売り込むということもしたりしますし、それこそ大手のプロダクションさんだとお金があって企画制作能力があって出演するタレントさんがいれば、このトライアングルは成立するのでよくある話です。

-芸能関係のお仕事のお金の流れについて勉強不足で申し訳ないのですが、お金はどう集められているんですか?

基本は企画書を持ち込んで話をしますね。そのきっかけの部分で言えばゴルフとかで知り合いになって仲良くなったらプロダクションをやってることを話したりして、所属タレントのことを知っていてくれれば話を聞いてもらいやすくなるので、その方の行ってる事業に絡めて売り込んだりとかもします。

-そういった企業さんを探したり、タレントさんの売り込みなどは会社を立ち上げた当時から役割分担はされていたんですか?

そうですね、基本は3つの柱で、新人を育てて売り込む、良い企画を作る、スポンサーをつけるです。これは1人ではできませんから、先ほど話したようにお金関連は特に僕の領分ですね。ゴルフが苦手な方もたくさんいらっしゃると思うのですが、やっぱりちょっと頑張ってでもラウンドに出た方がいいですね、色んな繋がりを得られますし。

-代替わりした社長さんとかだと人脈がなくて困ったりという方結構いらっしゃるのですが、自分の人脈を広げる方法ってゴルフ以外に何かあったりしますか?

人の集まる所に参加するのは必須なので、どこにどういう方が集まるのかっていうのをちゃんとリサーチしていった方がいいですね。自分とは関係ないと思っていた所からプラスが生まれることもあるので、とりあえず関わりになれるような人たちの集まる会に呼んでもらう、行くことは意識した方がいいです。

スポンサーだって門前払いされることもありますし、「この人には名刺渡さなくてもいいや」とか思っているとダメです。意外な所から仕事が来たりなんてこともありますし、人との関係は大事ですね。どの業界でも言えると思いますが、僕も痛い目を見て「人って大切なんだ」と勉強しましたよ。

-痛い目といいますと…?

繋がらなくてもよかった人と無理に繋がって、相手が良くなかったりWinWinな仕事ができなかったとかもありますし、勢いよく名刺を配りすぎて人を覚えられなかったり。「初めてじゃないですよ」なんて言われたらもう挽回できませんから。そういうこともあって、うちの社員には「名刺交換したら誰でもその日のうちに名刺交換の御礼メールをしなさい」と常に言っています。

立ち上げに至った経緯を教えてください。

-元々俳優をされていたと思うのですが、事業を立ち上げられた経緯を教えてください!

僕は徳島県出身なのですが、当時の自分からしたら東京なんてテレビの中の話で全く別の世界で、もちろん自分がテレビに出ることやテレビを作ることなんて考えてもいませんでした。大学は東京に出たのですが、あるきっかけで「お芝居をやってみないか」って声をかけてくださったマネージャーさんがいて、自分のこの先の人生を考えて「当たり前の人生はなんだかつまらないな」と。当たるか外れるかはわからないけど、人生を楽しみたいならやってみてもいいんじゃないかと思い勝手に大学を辞めて徳島に帰りました。

-え!?それは怒られませんか?

いや、親にはめちゃくちゃ怒られましたね(笑)今考えても「向こう見ずすぎるなぁ」と自分でも思いますが、親は辞めちゃったものは仕方ない、でも大学は行きなさいとのことで成蹊大学に入り直して、学生をしながらプロダクションと契約して役者を頑張っていました。

-そこからどのようなきっかけで会社を設立しようとなったのでしょうか?

実は僕は昔から、芸能人や俳優になりたいというよりも起業家になりたいって思っていたんです。それこそ小学生の頃から。そこから結局俳優になった理由は、お金を貯めたかったからですね。当時の僕の中では俳優って売れたらめちゃくちゃ儲かるというイメージがあって「起業するためにはお金が必要だ。じゃあ頑張って俳優やって貯めよう!」といった具合で。おかげさまでそこそこ売れてそこそこ貯金もできて、ちょうど28歳の時に独立しました。

-自分が出る側から出てもらう側になると変わってくると思うのですがどうしていたんですか?

最初のうちは私もタレントとして出ていてマネージャーを雇ってやっていたのですが、どんどん仲間が集まり、最初に来てくれたのが騎手の田中勝春くんと武幸四郎くんでした。その後私の家内である沢田美香が入って来ました。これが最初の1年目です。

-そうなんですね!ちなみに一般企業の営業活動とは違うと思うのですが難しい所はありましたか?

そうですね、生きてる商品を売るかモノを売るかであって基本的に営業は変わらないと思っています。難しい所でいえば、タレントは自分を売ってほしいですから、人と人との関係なので調整が結構難しいですね。でも1つ言えることは、どんなに小さな事務所に所属していようとどんなに大きな事務所に所属していようと売れる人は売れます。これは絶対です。

売れている人の共通点っていうのは、やっぱりどうやれば売れていくのか考えていることだと思います。まず芝居がうまくなきゃいけない、じゃあそのためには練習しなきゃいけない、滑舌がよくなければいけない。遡っていって今何をしなきゃいけないかが分かる人間が売れていくんでしょうね。

-清水さんやマネージャーさんからもタレントさんにアドバイスされたりするんですか?

そうですね。やっぱりマネージャー側も相当いろんなものを見て、色んな経験をして自分も必死で売り込みに行くので、気持ちはわかりますが「あの子ばっかり贔屓している」なんて思っている暇があったら頑張って自分を磨きなさいと伝えます。だって朝ドラ1本決まったら一発逆転じゃないですか。

-確かにそうですね。どちらの気持ちもわかるのはどちらも経験されたからなんですか?

まさにそれが良いところでもありやりづらいところでもあります。スタッフの気持ちもわかりますし役者の気持ちもわかってしまうので。

成長ドライバーについて教えてください。

-これから事業を伸ばしていくにあたってやった方がいいこと・効果がありそうなことってありますか?

テレビ業界も変化してきていて、昔ならスポンサーが1億かけていたものを、5000万にしてSNSに5000万円かけたりと分散する傾向にあります。今まではテレビとイベント、ラジオとかをやっていればそれなりに成立していたものが、YouTubeやSNS的なものにも詳しくなって、そちらでも売り上げを伸ばしていかないと前ほどの売り上げは上がっていかないと思います。

-やっぱりすごいですよねSNS。テレビ番組の公式チャンネルなんかもYouTubeでたくさん見かけますし

そうですね。もう今はテレビ制作だけで会社が成り立っているのって2割くらいしかなくて、不動産とか色んなビジネスに手を出してどうにか生き残っている状況です。それだけテレビの持つ力の範囲は小さくなりましたし、ヘタにYouTubeに手を出してもセンスや能力がないと結局マイナスになることもありますから、時代の転換点、岐路に立たされている企業は沢山あるんじゃないかなと思います。

「人を裏切らない」が信念・哲学

『企業哲学』について教えてください

-清水さんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?

「人を裏切らない」こと、頼まれたことは誠心誠意きちんとやること、本当にこれですね。調子のいいこと言っていてもすぐ見抜かれますし、この業界に限らず雑な仕事はしない、大事なことです。

清水さんの思う『社長』とは?

会社のスケールや事業内容、クオリティを大きく考えられることです。社長が今を現状維持しようとするのはアウトです。右肩上がりをキープしてはじめて現状維持です。今に満足してキープしようとするのはダメですよね。やっぱり一回りでいいから、もう少し良くするためにはどうしたらいいかっていうことを常に考えている、一回りでいいからそういうスケールで会社のことを考えている社長が良い社長なんじゃないかなと思います。

-色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!

「おいしい話には絶対落とし穴がある」これは間違いないです。真面目に考えてる人ほどシビアなことを言いますし、お金を出してくれるという人がいて、本当に出す気なら真剣に事業について聞きますし「どうなの?大丈夫なの?」と確認してきますよね。「いいよいいよ、儲かるんでしょ?」みたいな人には気を付けた方がいいです。

-そこの人の見極めって最初は結構難易度高いと思うのですがどうやるのがいいのでしょうか?

やっぱり、最初は皆手助けして欲しいっていう気持ちがあるので、「この人に引き上げてもらえるかも」とか「お得意さんになってほしい、逃したくない」という考えに引っ張られて相手が通常よりも良く見えてしまうんだと思います。最初こそクールに、冷静になった方がいいです。

メンバーに「本当は伝えたいけど、伝えられていないこと」

うちは社員が沢山いる企業ではないので、社員に簡単なことでも具体例を出して手取り足取り教えることができます。例えば、営業に失敗して落ち込んでいる人になんで上手くいかないのか?を伝えたときに、社長って細かいよねって思っている人もいるかもしれないですけど、「それはわざと細かく言ってるんだよ」って言うのは伝えたいですね。

本当は「俺の背中見てついてこいよ」みたいなことも言いたいですが、背中見せたくらいじゃ誰も何も感じてくれないですよね(笑) だから僕が引退するまでにそういう細かいことを彼ら自身の力で気づいてくれればいいなと思って普段から口酸っぱくしています。

これからの夢や目標を教えてください

バトンタッチも考えていますが、僕がやることはこの先会社を大きくした時に倒れない土壌を作ることです。財政や運営もそうですが、基盤部分を盤石に固めておいてあげたら会社も社員も大きく伸びていけるのかなと思います。

-バトンタッチするタイミングって自分の中で決まってたりするんですか

いやもう早くしたいんですよ(笑) 僕も一生懸命仕事してきたのでこの先はゴルフとか釣り三昧の生活になりたいです。でもそんなことを社内で言っていると社員には「まだまだ一緒に仕事しましょうよ」って言われるんです。無下にできないですよね、すごい殺し文句です。まだもう少し頑張ろうかな、と思っています。

まとめ

清水さんありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?元々俳優やタレントをされていたところから起業されたとのことで、私の知らない業界のお話などをたくさんお聞き出来てとても充実した時間でした!

テレビやタレント事業でのスポンサーの作り方は、私自身にも非常に勉強になるお話でしたし、そういった経営者さんの集まる場所に行くことは大切なことなんだと再認識する機会になりました!

今回取材を受けてくださった清水さんは、ビズストYouTubeの方にも出演してくださるのでぜひチェックお願いします!

株式会社シンクバンクからお知らせ!

▼株式会社シンクバンク公式ホームページ

https://www.thinkbank.jp/

 

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