ビズスト|BIZ STORY

 

31カ国出身のメンバーから成る多国籍企業の強みを活かす越境ECで、日本を海外に届ける架け橋に。

ZenGroup株式会社 スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴ

今回は、越境EC領域の事業で活躍をされているスロヴェイ様のビズストーリーをお届けします。

こんな方におすすめ
・日本を海外に広める事業展開をしたい方
・海外へ向けて自社商品を広げたい方
こんなことが学べる
・同業他社に勝つ競合優位性を出すためには
・中長期的に見て成功する採用の方法

日本の商品を海外のお客様につなぎ、三方良しを実現

事業内容について教えてください。

「海外にいるお客様と日本のオンラインショップをつなぐ」架け橋のようなサービスを展開しています。

購入代行やショッピングプラットフォーム、サブスクなど様々な形を駆使しながら双方をつなぎ、日本の素晴らしい商品を海外に向けて販売するという流れになります。

ありがとうございます!それぞれのサービスを簡単にご紹介いただけますでしょうか?

1番大きな事業の「購入代行」は、自社プラットフォームではなく第三者のプラットフォームを用いたサービスになっています。お客様にamazonや楽天、その他プラットフォームで購入したい商品のリンクを弊社サイトに貼付いただき、その商品を弊社が代わりに購入し、すべてを同梱した後に配送することで、お客様ご自身で別々にご購入されるよりも国際送料等をお安くできるという仕組みになっています。

自社プラットフォーム「ゼンプラス」では、日本の出品者さんが簡単に海外へ向けた販路展開ができるサービスになっています。そこで出品されている商品を海外のお客様が購入し、配送されお手元に届くまでのすべてに弊社が介入することで双方に手間がかからないような形を実現しています。

サブスク「ゼンポップ」では、月のテーマに沿った文房具やお菓子、アニメグッズ等をボックスにして毎月お客様に定期配送しているサービスになります。

※ゼンポップは4月より文房具に焦点をあてた形でリブランディングを行いました。

起業された背景を教えてください。

大学卒業後、大学院に入って修士号、博士号を取得することに時間を注いでいたため、実際に社会に出たのは30歳ごろでした。そこで普通に就職する道もありましたが、弊社の創業メンバーと元々趣味でサイトを作ったり、プロジェクトを進めたりしていたこともあり、「何か一緒に事業ができるのではないかと」と相談をした後に起業したという流れになります。当時身内や友人から日本の商品等を持って帰ってきてくれとお願いされていたこともあり、需要があることはわかっていたので上手くいく自信はありました。

海外の知見と経営課題の解決が拡大の鍵

競争優位性について教えてください。

ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?

私自身が外国人ということもあり、海外のマーケットはもちろんですが、細かい部分で言うとサイトのデザイン等まで「海外で通用するための知識を元々持っていたこと」は大きかったと思います。

また、海外と聞くと英語圏をイメージしやすいですが、英語圏以外の国にも対応できるようにカスタマーサポートの言語を増やしたり、様々な国に対応する決済方法や配送方法を用意したり、同業他社と比べて対応している内容が多いことも事業を伸ばすことができた要因だと考えています。

ありがとうございます!起業当初からここまでの拡大を見越して言語数などを多めに設定されていたのですか?

いえ、元々はここまで会社を大きくしようとは考えていませんでした。

1つ1つの経営課題に対して的確な解決をしてきた結果、大きくなってきたという形になりますね。例えば、言語の場合は元々ウクライナ語・ロシア語だけでしたが、リスクヘッジのために英語を追加することになり、その後英語だけではなくスペイン語も追加することになりました。また、配送方法や決済方法も、コロナを始め様々な課題に直面する度に1つ1つ解決してきたことで結果的にお客様に喜んでもらえるようなサービスに進化してきました。

となると、事業内容も同じように増やされたのでしょうか?

その通りです。元々は購入代行のみを展開していましたが、購入代行は第三者に大きく依存する事業になりますので、リスクヘッジのためにも自社のプラットフォームを開発したりサブスクの事業を展開したりしながら成長させてきました。経営していると様々な課題が出てきますし、パッと思いつくことも多いので、その度に臨機応変に対応して解決することを大事にしていました。

成長ドライバーについて教えてください。

-これから拡大するに当たって課題になりそうなポイントはありますか?

「会社のカルチャーやビジョンの浸透」ですね。

弊社は半分以上が外国人なので、言語の壁や宗教の違いも多いです。そのため、考え方や世界観も人それぞれ大きく変わってくるので、どのように浸透させていくかは今後の大きな課題になっています。

思いや考えを共有し、人をまとめる仕事

『企業哲学』について教えてください

スロヴェイさんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?

「人をまとめること」ですね。

会社が大きくなるにつれて、社長と社員との距離は離れていきますし、社長の思いや考えが浸透しにくくなっていきます。それにより人をまとめることが難しくなってくることもあるので、なるべく社内チャットで挨拶をしたり、ミーティングで私の考えや思いを共有したり、今回のビズストさんに記事が掲載された際には社内で宣伝したりしながらまとめていくことを意識しています。

色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!

「会社の価値観を決めたらその価値観に沿った人を採用するべき」ですね。

起業当初は短期的な視点で「優秀な人が欲しい」と考えがちですが、中長期的に見るとカルチャーに合わなかったり、仕事はできてもコミュニケーションが取れなかったり、組織にとって不利益になることも多々出てきます。ですので、まず最初に会社としての価値観や方向性を定めたら、それに合った人を見極めながら採用していくことをおすすめします。

メンバーに「本当は伝えたいけど、伝えられていないこと」

本来であれば、メンバーのみなさん1人1人と時間を共にして話をする機会を作りたいのですが、中々難しくて実現できていません。ですが、「しっかりとみなさんのことを考えていますし、1人1人のことを気にしています」ということを伝えたいですね。

これからの夢や目標を教えてください

越境ECエコシステムを構築し、海外に商品を売りたいと考えている日本国内の企業にシステムを提供して、物流やマーケティングの支援をすることで、「一緒に日本の商品を海外に売る仕組みを作りたい」です。それにより、日本の海外における越境EC販売額を現在の5%から20%に伸ばしていきたいですね。

また、社内では「代表の思いをシェアできる人」を増やして大きな仕事を任せられるような人材を育成していくことが目標です。

まとめ

スロヴェイさんありがとうございました!

今回、ビズストとして初めて海外出身の社長さんにインタビューさせていただきました!

海外へ向けたビジネスを考えている方にとっても、海外のお客様に販路を広げたい方にとっても大変勉強になる内容だと思いますし、私にとっても大変貴重なお話を聞かせていただき、勉強になる時間でした。スロヴェイさんも数々の失敗を繰り返されているのだとは思いますが、経営する中で課題にぶち当たったときにスピード感のある的確な解決をされてこられた結果、想定していなかった規模まで会社を大きくし、今後さらに拡大していくために動かれているのだなと感じました。みなさんも何か課題や壁にぶち当たったときに「何ができる」「何をすべきか」を最速で考え、行動していきましょう!

ZenGroup株式会社からのお知らせ

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ZenGroup株式会社

代表取締役 スロヴェイ・ヴィヤチェスラヴ

Kyiv National T. Shevchenko Universityにて日本語を専攻し、2003年から1年間富山大学へ留学。帰国し、Kyiv National T. Shevchenko Universityにて修士号を取得。その後日本へ渡り、東京大学に研究生として入学、修士号・博士号を取得。 2014年、ゼンマーケット合同会社(のちZenGroup株式会社)を創業し、代表に就任。 日本の商品をシンプルに海外ユーザーへ届ける仕組みを作り、 世界の越境ECにおける日本の販売額シェア20%を目指す。
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