株式会社ネクスウィル 丸岡 智幸
今回は、不動産領域の事業で活躍をされている丸岡様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
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・不動産の買取事業をしている方
・空き家や訳あり物件を取り扱いたい方
- こんなことが学べる
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・訳あり物件を取り扱う事業を展開する際の課題
・起業当初、忙しいからこその落とし穴
株式会社ネクスウィル 丸岡 智幸
今回は、不動産領域の事業で活躍をされている丸岡様のビズストーリーをお届けします。
当社は日本の空き家や訳あり物件を無くすため「不動産の買取、再販」をメイン事業として展開しています。
訳あり物件にも様々な種類があって、例えば「不動産を複数人で所有していて揉めている場合」や「そもそも建物と土地の所有者が違う場合」、「再建築ができない不動産」のように何らかの理由で売れない物件は数多く存在しています。その中でも「共有名義の不動産」を確かな法的知識を用いて買取、市場に流通させていくことを当社の強みとしています。
–ありがとうございます!やはり共有名義だと揉めるケースが多いのでしょうか?
そうですね。相続の際にうまく遺産を分けられたらいいのですが、不動産は高価なものなので平等に分けることが難しくなるので、どうしても共有名義にするケースが多いです。そうなると、1人が「家を売りたい」と主張しても、もう1人が「自分はこの家に住みたい」と主張するとこの時点で揉めることになります。ひどい場合は「もう顔も見たくない」と言ってしまうほど揉めてしまうパターンもあるので、簡単な話ではないですね。
逆に、誰も不動産の相続権をいらないというケースもあります。その場合は空き家として残ってしまうので、当社としてはそのような空き家も出ないようにしていく動きもしています。
「顧問弁護士からの一言」が大きなきっかけです。
元々は投資用不動産を販売している会社で働いていて、その後起業をしたという流れになっています。当社の顧問弁護士がいるのですが、その顧問弁護士が当時共有名義の不動産に関わる裁判等に携わる仕事をしていたこともあり、「今後共有名義の不動産に関わる問題が増えてくるよ」という話をしてくれました。そのときに「その問題を解決する事業ができたら面白いのではないか」と思い起業しました。
また、起業する際もお客さまに喜んでもらいたいという気持ちはもちろんありましたが、それよりも「社会問題を解決し、社会に必要とされる会社にしたい」という想いが強かったこともあり、社会問題になっている空き家問題や、相続問題を解決できれば今よりも社会に貢献できるのではないかと思ったことも大きな理由の1つでした。
–元々不動産業界で働いていたということは、ある程度の知識や人脈があったのでしょうか?
そうですね。元々私がいた投資用不動産会社では、集客に力を入れている会社だったこともあり、良いものを世の中に知ってもらうためのノウハウは蓄えていました。また、ITに強い方々とのつながりもできていたので、LPを作成してもらったりしながら現在の形を作っていったという流れになります。
当時は月に10件あるかないかほどの問い合わせしかありませんでしたが、会社としての魅せ方を工夫したり試行錯誤をした結果、今では月に500件近くまで問い合わせが来るようになりましたので、当時の経験は非常に大事だったと感じます。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
事業を伸ばすことができた理由は大きく2つあります。
1つ目は「集客に力を入れたこと」です。
世の中のためになる良いサービスがあったとしても、認知されていなければ買われることも使われることもありません。会社員時代のノウハウも含めて集客に注力したことが大きな要因だと思います。集客にも様々な方法がありますが、当社では「我々の想いをメッセージとして打ち出す」ことを意識していました。今回取材いただいているビズストさんもそうですし、様々なメディアに露出していくことで世の中に認識してもらって、ファンになっていただくことが大切だと思いますね。
–ビズストを運営していて、私もメディアの露出を大事にされている社長が増えている印象を受けていました!それでは、2つ目の要因について教えてください!
もう1つは「人」です。
創業時5人で始めたのですが、当時から1人1人が責任感を持って役割を全うしてきたからこそ今の会社があると思います。その後入ってきてくれたメンバーも、今の事業に共感してくれているメンバーばかりなので、すごくバランスが取れた組織になっていると思いますし、人に恵まれてきたなとすごく感じています。
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
「資金調達」が1つの課題になってくると思います。
普通の不動産会社であれば、土地を買うにも家を建てるにも銀行から融資を受けることができますが、訳あり物件の場合は物件の担保価値を見てくれないので融資を受けることができません。現在は資金を貯めてきたこともあって大型案件を受けることができてきましたが、今後さらに拡大していくためにはどうしても資金調達をする必要があるので、現在も銀行と話し合いを続けているという状況です。
–丸岡さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
「社会から必要とされる」ことにはこだわっていますね。
もちろんボランティアではないので利益は追求しますが、社会の問題を解決していくサービスであり続けることには今後もこだわり続けたいです。
「知識がないからと言って任せるのではなく、まずは自分で調べてみること」です。
起業当時、ホームページを作る知識もなく、SEOについても詳しくありませんでした。全部自分でしようとすると時間がかかりすぎるので、全てやってくれる会社にお願いして月々ランニングコストをかけていましたが、今思うと高いコストをかけすぎてしまったと後悔しています。起業当初は誰しもが忙しくてリソースも限られていると思いますが、知見がないことを何でも丸投げするのではなく、自分である程度調べて知識を入れた上で営業と話したりすることで無駄なコストを払うことなく経営ができると思います。
「一緒に会社をより良いものにしていきましょう」と伝えたいです。
そのためには私もメンバーの声を積極的に聞きにいく必要がありますし、メンバーもどんどん様々な意見を出して欲しいと思います。最近、もう少し私のしていることや考えていることを全社に伝えるべきだったと反省することがあって、余計に意思疎通をしていく必要性を感じました。私はどちらかと言うと、トップダウンではなくボトムアップで舵取りをしていくタイプの社長だと思っているので、メンバーの意見や声をもっと聞いていく必要がありますし、言いにくい雰囲気があるのであればどうにか変えていかないといけないですね。ポジティブな意見であれば即取り入れていきますので、もし私に言いにくいことがあれば上長や先輩に話してみて欲しいと思います。
「家を相続したタイミングで何かに困ったときに、相談相手としてまず頭に思い浮かぶ会社にしていきたい」です。
家を買いたいと思ったらまず思い浮かべる企業がいくつかあると思いますが、それと同じように、一定数の人々が人生で一度は訪れることがあるであろう不動産の相続のタイミングで当社を思い浮かべるような状態になれば社会に貢献できている企業になれていることになるのではないかと思います。
また、「中古不動産の価値を上げていきたい」と考えています。
海外では中古不動産の価値が高く、流動性も高いのですが、日本では新築至上主義の考え方が根強く残っている影響で古い家は空き家として取り残されています。建物を建てていれば税金が安くなる法律がある影響で、その空き家は取り壊されることなくずっと残ったままになっています。その結果、犯罪に使われたり、ボロボロな家があることで一帯の雰囲気も悪くなってしまったりと良いことがあまりありません。ですので、日本での中古不動産に関する価値観を変え、空き家問題を解決していきたいです。
▼ワケガイ
共有持分や底地、再建築が出来ない物件など、一般的に売却ができない物件(訳あり不動産)を買取りさせて頂き、法的知識や専門知識を以って解決。バリューアップをしてリセールします。
▼空き家のURI・KAI
全国の訳あり不動産や、空き家について、「売りたい人」と「買いたい人」をオンライン上でマッチングさせるCtoCプラットフォームです。
日本の課題である、空き家問題。これを解決するために、ユーザーが使いやすく、不動産取引の経験が無い方でも、安心してご利用いただけるプラットフォームを構築しました。