
株式会社i-plug 中野 智哉
今回は、HR領域の事業で活躍をされている中野様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
-
・起業するか学び直しをするか迷っている人
・HR系の起業を検討している人
- こんなことが学べる
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・事業がうまくいかなくなった時の判断の仕方
・起業仲間を見つけるポイント
・新卒採用市場からみたダイレクトリクルーティングの在り方
株式会社i-plug 中野 智哉
今回は、HR領域の事業で活躍をされている中野様のビズストーリーをお届けします。
メイン事業は、新卒オファー型就活サービス「OfferBox(オファーボックス)」です。累計2万社以上の企業様に登録いただいていて、毎年約20万人以上の学生さんにご利用いただいているサービスです。また、グループ会社が2社ありまして、株式会社イー・ファルコンが適性検査「eF-1G」というタレントマネジメントサービスを展開、株式会社マキシマイズは「食」というテーマで事業の企業に特化した就活支援のサービスを展開しています。
基本的には、新卒採用領域が事業ドメインのど真ん中になってまして、そこに付随するようなサービス展開を今広げています。
-ありがとうございます。ダイレクトリクルーティングに限らずだと思うのですが、まだまだ名前の知られていない企業さんが「スカウトを送っても反応ないからやらない」みたいなお話を聞くことが多いのですが、貴社のサービスを利用される企業様はどのくらいのフェーズの方が多いのでしょうか?
正直言うと偏りはあまりないです。今、新卒採用をしている日本の企業は3万5000社ぐらいと言われていて、その中の約2万社が弊社のサービスに登録しているので、業種業態、そして会社規模関係なく使っていただいています。
実際にOfferBoxで採用ができている企業の分布を見ても、いわゆる100名未満の企業から、100名以上〜数万人レベルの企業まで、満遍なく採用ができています。
採用戦略上、入社してほしいターゲットを見つけて、ピンポイントでアプローチして、コミュニケーションを取りたい企業さんにはフィットするサービスです。逆に、マス的に認知を広げて、多く来たところから選んでいきたいという採用戦略を取っている企業にはフィットしづらいと思います。
前職はインテリジェンス(現パーソルグループ)で求人メディアを担当していました。HR領域の中で求人メディアの市場で働いてきて、起業のきっかけになったのは、リーマンショックの時でしたね。あの時はほとんどのHR系の企業が、倒産寸前になりました。
私はいつも終電まで働いてた人間だったので、突然「定時で帰るように」と言われてもやることがなくなりました。「それだったら噂で聞いていた、グロービス経営大学院のお試しを受けてみよう」と思って行ってみたら、面白かったんですよ(笑)
お試しでちょこちょこ受けている間に、経営に興味がより湧いてきたので、1年間受けて、その後、起業することを決めたんです。せっかく起業するんだったらしっかり学んでからやろうと思って、大学院に入って卒業して起業しましたね。
-ということは学生の頃から起業したかったとか、社長になりたかったとかってわけではないんですか?
憧れはあったんですけど、明確にこの時期に、とかは全然ないです。
私はサラリーマンを10年やっているので。起業したいと思っている人ってもっと早いじゃないですか?だからちょっと他の経営者の方とはタイプが違うかもしれないですね。
-学び直しに行かれるというパターンは、今まで100件以上取材させていただく中であまりいらっしゃらなかったので驚きました。「とりあえずやってみよう!」みたいな方が多かったので、中野さん的には学んでからの方が良いと思いますか?
ビビりだったからかもしれないですね(笑)学び直すお金があるなら、起業した方が良いかもしれないです。200〜300万はかかりますから、学び直さないでそのまま起業しても良かったと思います。
-私が新卒だったころでダイレクトリクルーティングってそこまで定番って感じじゃなかった印象なんですけど、人材紹介はよく聞くワードでした。
そうですね、今ではようやくダイレクトリクルーティングは新卒採用でよく聞くサービスになりましたが、前までは全然違いましたね。OfferBoxの場合、年間で約7400名の決定が出ています。逆に、求人メディアだと20万人以上の決定が出ていて、それくらい影響範囲って違うんです。
ビジネス的にいうと人材紹介の方が単価が高いのですが、影響範囲はどっちが大きいかっていうと、ダイレクトリクルーティングの方が大きいと思うので、今後もこだわっていきたいと思っています。
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
「大きな変化に対応していくこと」と「私たち自身が強くなる」の2つかなと思います。今も生成AIで世の中が変化していますが、これからは今以上に変わると思うんですよね。単純に生成AIだけで変わるというよりは、生成AIを搭載したロボットも出てきてますし、そもそも人間がやるべき仕事ってどこ?というところから、人間の働く価値観もジワジワと変わっていくと思います。それに対して、常に変化しないと「求められるサービス」にならないと思うので、そこを追求していく必要があります。
もう1つは、求められるサービスを作っていくのが人なので、私たち自身も成長していく必要があります。組織や働いている1人1人が、成長していく会社にならないと、その変化にはついていけないと思うので、この2つが大事なポイントだと思います。
–中野さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
会社は「お客さんに価値提供をするため」に作ったので、何に向かって仕事をするかということが1番大事だと思います。i-plugには、ミッション、ビジョンがあるので、方向性が一致しているかという点は、とても大事にしています。
「お客さんを大事にする」ということは、優先順位をつけるということなので、ステークホルダーのうち、まず誰に価値を届けるのかをちゃんと明確にして判断していくことが重要だと思っています。
同じようなフェーズの経営者、仲間を作った方が良いと思いますね。いわゆる切磋琢磨する人が近くにいる方が良いと思うんです。経営をやっていく上で、「生き残る」というのを意識するのが初期だと思うんですけど、生き残った後はどこまでやるのが良いのか?というところが大きな壁になると思います。会社の目標は経営者が決めるので、1人だと目標が高くならないんです。なので、すごく身近にドンドン成長している社長仲間がいたら、負けたくないって考えるようになるので成長できるようになります。
私も会社を作った当時に、同じようなフェーズから全国区になったサービスを作った社長がたくさんいるんですよ。数年違いで、小さいコワーキングスペースから一緒にスタートしましたね。
-ちなみに数人で始めたら家でも良いかなと思うんですけど、コワーキングスペースとかシェアオフィスはいつの段階からステップアップされて利用されているんですか?
当時、コワーキングスペースを借りるっていう文化が関西にはあまりなかったのでオフィスを借りていました。「ショートプレゼン」という名のピッチを学ぶ勉強会をコワーキングスペースでやっていたことも。そこに参加して経営者と出会って、また別のイベントで出会うこともありましたね。そこから数年以内にまた出会ったりして、何十社も大きくなっています。
-そうなってくるとお互い伸びた時めちゃくちゃ嬉しいですよね。悔しいなという気持ちもありつつ…!
そうですね。けど圧倒的に負けたら悔しいので頑張りますよね(笑)
-私も見つけてみます!!
社外からも言っていただけるのですが、うちの会社って親切な人や真面目なメンバーが多いなと思っていて、それって誇らしいことだと思うんです。自分のために働いているというよりも、誰かのために働くとか、頑張っていきたいというマインドが強いのでとても誇りに思います。今後も継続していくべきところだと思いますし、より強化していきたいと思っています。
i-plugのメンバーはすごい変化をしていく中で日々仕事をコツコツしています。新卒採用に課題を感じている企業にとっての黒子的な役割で日々サポートしているのです。お客様にとっての価値は提供できても、社会を変えている実感はなかなか感じにくいと思いますし、課題もいっぱい出てきますが、課題をいろんな側面から考えることが重要になってきます。
その考え方ができるようになって、未来を想像してチャレンジし続けると面白いことになるのかなと思います。様々な課題を向き合って、誰もやっていないことを、やり切るような難しさを感じるからこそ、やった後、「すごいことをやってきた!」と実感できるものです。
-ありがとうございます。サービスを褒めていただけるのももちろん嬉しいと思うのですが、お客様からメンバーの皆さんが褒められるのって嬉しいことですよね。
みんな言ってくれるんですよ。言われた時は本当に嬉しいです。「良い人たちばかりですよね!」と言っていただけるので!
i-plugグループのミッション、ビジョンを実現していくことが最大の目標でもあり、夢でもあります。日本は少子化していくし、経済も縮小していくってよく言われますが、だからこそやるべきことがあると思います。人が減っていくのは確定してるとしても、新しい幸せな社会を日本で作っていき、社会をより良くしていきたいです。「少子化になってこのビジネスって小さくなるんじゃないですか?」って。日本の社会を良くしたいと思う私にとってはあまり関係ないです。そんな思いを持ちながら、社会をよくするためにまずは日本からやり切っていきたいなと思っています。
▼新卒オファー型就活サービス「OfferBox(オファーボックス)」
▼【グループ会社】株式会社イー・ファルコン
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