ビズスト|BIZ STORY

 

30年以上IT業界で培ったノウハウを活かしクライアントさんの「ITの心臓」になる。

株式会社BASICS 小畑 智也

ビズストーリー編集長の大田原です。
「社長」による「社長」のための「社長」ストーリーをお届けするのがビズストーリーです。たくさんの社長の方から、様々な視点での学びを得て自分だけのビズストーリーを刻んでいきましょう。

今回は、IT/ソフトウェア/サービスロボット領域の事業で活躍をされている小畑様です。

こんな方におすすめ
・ソフトウェア関連で独立を考えている人
・IT領域全般に強くなりたい人
こんなことが学べる
・ソフトウェア関連で独立するときに気を付けるべきこと
・IT業界の課題や、エンジニアの方に持ってほしい視点

企業のITスキル不足をパートナー事業で解決する

事業内容について教えてください。

大きくわけて3つの軸で事業展開しています。

1つ目は前職(BIPROGY株式会社)のパートナー事業です。普通のシステム開発のお手伝いをすることもありますが、案件の中で技術的に少し困ったところを助けるようなスポット参戦的パートナー事業というのが1番大きいです。

2つ目は自律走行型のロボットの開発に関わった事業です。最近ファミレスでよく見かける配膳ロボットではなく警備や案内に利用されるようなものを作っています。最近多いものだと屋外を走行するようなタイプで、そのロボットの中ソフトウェアの部分をオーダーメイドで作成しています。

-となると自社サービスもロボット関連なのでしょうか?

いえ、自社サービスである「ITシェアリングサービス」はロボットとは全く関係のない領域で、ITにあまり詳しくない企業さんがITをやりたいとなったときに、うちの会社をIT部門(IT顧問)として利用しませんかというサービス内容になります。ITはやらければならないことが非常に多いので、採用するとなるとなんでもできる優秀な人材をどこの企業も欲しいはずです。ですがITに慣れていない企業さんだと実際にその人がどんな能力をもっているか見極めることは難しいですし雇うリスクが高いです。そういう考えから「30年以上IT業界のトップレベルを経験したノウハウを効率的に活用できる」というサービスを提供しています。

立ち上げに至った経緯を教えてください。

-事業を立ち上げられた経緯を教えてください!

元々は前職のパートナー事業のために立ち上げた部分が大きいです。あとこれは前職に限った話ではないですが、大手のITの現場の環境が精神的にあまり向いていなかったからですね。よく建築とシステムの構築は似ているなんて言われるのですが、家を建てたら普通は喜ばれるけれどシステム構築は喜ばれることはほとんどなくて大手同士だと発注側も受注側も文句の言い合いという構造がよくみられます。

-確かにそれはつらいですね

その頃にたまたま自営業の先輩が売上や見積の提出に困っておられて、簡単そうだったのでExcelでマクロ組んであげて過去の見積もりなんかも呼び出しながら修正して直せるやつをパッと作ってあげたらものすごい感謝されたんです。それがきっかけで相手のために一生懸命やったら普通は感謝される環境で仕事がしたいと強く思うようになりました。でも別に前職の会社が嫌いだったとかではありませんでした。むしろ会社も人もみんないい人だったので、私が技術的なこととかを助けたらもう少し揉め事も減って真っ当な関係になれるのではないかと感じたのが辞める時の大きな理由です。

-退職して起業することになにかハードルは感じられていなかったのでしょうか

基本的には変えたいと思ったらそうしたいタイプなのであまり感じていませんでしたね。あとは、他のITだったら辞めた社員に仕事を出すなんてことはあんまりしないんですが前職はそういうのに比較的寛容でした。あまり外で言ったらいけないと釘は刺されましたが(笑)

もう1つは、自分でいうのもあれですが前職の中では優秀な方だったことと周りの方も辞めても一緒に仕事をしようと言ってくださっていたのもあって、きっと自分を雇うだろうという勝算があったのでそこまで不安は感じていませんでした。

-となると、他の2つの事業の立ち上げもご縁があって始められたことなんでしょうか。

2番は1番とほぼ一緒なんです。私が取締役として兼業している株式会社カンブリアン・プロジェクトという会社があるのですが、そこの社長が私の元上司なんです。BIPROGYにその元上司がいた頃に、BIPROGYでもロボット事業をやっていてそのご縁で声をかけていただきました。そちらも私の実力を知っていて、私がBIPROGYを辞めた後も仕事をくださっていた方が作った会社からの仕事なのである意味一緒ですね。

-3つ目の事業はなぜ始められたのですか??

IT事業でそれなりに利益を出すためには自社サービスだと思っているからです。というのも、人工ビジネスには限界があります。実際、1ヶ月分の作業を契約したとしてそれを半分の時間で終わらせるのは難しいですよね。とても優秀な方だったら可能かもしれませんが、チームで仕事をしているうちは必ずしも全員がそのスピードでできるわけではないですし月の利益もたかが知れてくるわけです。なので自社サービスを展開したいと常々思っていました。

さっきの話に少し戻りますが、じゃあ何をやれば感謝されるんだろうかと考えた時に、もちろんロボットのソフトウェアを作って売るのもありだったかもしれないけれど、結局自分が経験してる中で直接的に感じてたのが会社にIT部門がないっていうことに対して困ってる人が多いのではないかということです。そこから自分たちが持っているノウハウや経験から考えてたどり着いたのが企業のIT部門をシェアする「ITシェアリングサービス」でした。

-いろんなパートナーの方とお仕事されていらっしゃると思うのですが、実際一緒にお仕事されている従業員の方って何人くらいになるのでしょうか

私を除いて3人の従業員で頑張っています。その内1人はバックオフィス担当なのでエンジニアは私を含めて3人、パートナーは4人です。

-結構案件多いのではないかと感じるのですが、その人数で案件をまわしていらっしゃるのですか?

先ほども少し話しましたが、大きな案件のなかの数セクションをやっているみたいなイメージで、私たちだけでやる案件はそんなにないんです。

-となると、同じ業種や業態だけでなく業務委託の方とかも競合に入るのでしょうか

競合ではありますが、一緒にやっていきましょうみたいなお互い助け合うみたいなイメージの方が強いですね。

事業成長の秘訣はなんでもやってみること

競争優位性について教えてください。

前職のパートナー事業に関して言えば大きく2つあって、1つ目はBIPROGYのやり方や文化とかをよくわかってるっていう部分ですね。例えば、見積もりの資料や内部的に作らないといけない資料に関しても、こういう資料を作らないといけないっていう様々なルールを自分はわかってるので相手側にとっても安心感があると思います。

2つ目は仕事の質とスキルをちゃんと認めてもらえてるという部分です。先ほど話したように技術的に困ったら小畑に相談しろみたいな雰囲気は今でもBIPROGYの中にあると思うので、こちらから行かなくてもお声がけ頂くことは多いです。なので、いくつかある会社を比較した時に技術力や仕事の質などは高く評価していただけてるのかなと思います。

-ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?

実際にはそんなに伸びていないというのが正直なところです。伸びてはいませんが、紆余曲折あって今入ってくれてる2人が自分の会社の立ち位置にうまく呼応してくれてるっていうのは大きいですね。エンジニアにすごく多いのが、自分ができることはするけどそれ以外はできません、やれませんというパターンです。こういうエンジニアの方結構いるんですが、うちは全く逆でやったことないけどやれって言われるんだったらやりますっていうスタンスなんです。普通だったら調べるの面倒臭いとかやったことないことだから大変って嫌がってしまったりするのですが、今一緒に働いてくれている2人はそういうことを厭わずやってくれるのでとても助かっています。

成長ドライバーについて教えてください。

-これから事業を伸ばしていくにあたってやった方がいいこと・効果がありそうなことってありますか?

いやー、難しいですね。全然わからないです、あったらもうやっているので。今は試行錯誤というか難しさの狭間にいますね。BASICSは9期目になるのですが、まだまだ今の仕事は私を知っている人が依頼してくださっているものが多いです。加えて、業務委託でお願いというよりは、どちらかというと社員に近い動き方を期待されていくような、チームのリーダーを任されるような仕事の受け方がほとんどです。でもそれって長続きはしないと思うので、どういう仕事の受け方にシフトしたら私ではなくBASICSに仕事を発注するようになるのかなっていうところが今の試行錯誤ポイントですね。

1ついうのであれば「ITシェアリング」をもう少しちゃんとやりたいねっていう話は社内ではやっぱりしています。結局は人工ビジネスにはなってしまうのですが、社会課題解決的にはそれなりの大義名分があるのでそれなりのモチベーションにもなるはずだからしっかりやっていきたいねっていうのと、BIPROGY以外でお客さんのITシステム対応を個別にやっていくっていうところをもう少し広げていきたいです。

「感謝」が信念・哲学

『企業哲学』について教えてください

-小畑さんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?

終わった後に感謝される、もしくはまた一緒に仕事がしたいと思ってもらえるような仕事をするということですね。同じように相手に感謝したり相手のためを思って1番いい策を真剣に考えることが大事だと思うので、そこをゆるぎなくやっつけ仕事にならないようにしています。

小畑さんの思う『社長』とは?

うちの会社のことだけでいえば、プレイングマネージャーであるべきだと思います。経営だけができる人間ではなくて、自分自身も仕事を遂行していく背中を見せられるような人間でありたいです。

-色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!

案件は確保してからやめた方がいいということですね。きっと仕事をもらえるだろうと思って勢いで辞めて実はもらえないというのはしんどいので、ある程度仕事を内々にもらえるという約束をしてから辞めるのは重要だと思います。あともう1つ、もし会社をちゃんと作ろうと思うのであれば1人で起業するのはおすすめしないです。

-なぜでしょうか

理由としては、私が新卒採用とか未経験採用を経験したからわかるのですが1人で未経験を抱えるってのはやっぱつらいからですね。下手したら2人分の作業を1人でやらないといけなくなる可能性があります。2人経験者がいれば負担が減りますし、未経験の子が何もできなかったとしてもやってるかのように振る舞うことができます。1人分の作業を3人で分けてやればいいけれど1人に1人ついてしまうと2倍になってしまって非常に難しいです。あとは相談できる人がいた方が精神的に圧倒的に楽です。

-小畑さんが社長になる前に戻れるとしたらやっておきたいことはありますか?

正確に言うともう少し早く起業した方がよかったし、もう少し早く社員を雇った方がよかったのどちらも当てはまります。今現在52歳で、プレイングマネージャーといってもこの先見せられる姿って限られますし、そういう中で会社を大きくしていこうとなると 期間が難しいんですよね。地固めとか様々なことを考えるともう少し早く起業するかもう少し早く社員を雇い始めるべきだったなと思います。

-迷っているなら独立してしまった方がいいということでしょうか?

いえ、闇雲に辞めてもいいというわけではないです。サラリーマンとして過ごしていくうちに社会人としての立ち振る舞いも身に付きますし、 ITの様々な活動でも年齢が上がったり役職が上がることによって見えてくる世界も変わります。クライアントさんと話すということ1つをとっても、今まではごく普通のクライアントさんとしか話してなかったのがもう少し役職が上の人と話したりという風になってくれば当然見える世界も変わってきます。

-経験するのが短ければ短いほど見える世界が全然違ったりもすると思うので、すごい早くやればいいって問題でもないですね!

もちろん業界によって良し悪しはあるとしても、私のような仕事の受け方は前職でそれなりの信頼関係を築いてきたからですし10年そこらではこうはなかなかなれないと思います。

これからの夢や目標を教えてください

会社の規模感的にも、どちらかというと目の前のことを1個ずつ片付けていくので精一杯みたいな状況で大きな夢はないですが、1つだけ挙げるなら、信頼して入ってきてくれたこの子たちが将来苦労しないような形を作ってちゃんと引き渡してあげることですかね。

あとは社員も含めてしっかり対価をもらえるというのは絶対やっていかないといけないことだなとは思ってます。

-お2人には普段から話されているんですか?

フルリモートなので頻繁ではありませんがちょくちょくは話しています。1度採用で失敗して会社を畳みかけたことがあるので、その時を乗り切ったこともあって結束は固いと思います。その時は案件ありきで人を取ろうとして失敗したので今は人ありきで採用しています。

-だから日本一採用が厳しい会社ですって謳っていらっしゃるんですね!

そうですね。人ありきで採用するとなったときにどうしよう、と試行錯誤して、「苦しいぐらいこちらが思ってることを全部伝える方がいいのでは」と今のサイトができあがりました。でも理想だけを語るわけにもいかないのでその塩梅はいまでも難しく感じています。

まとめ

小畑さん、ありがとうございました!長く勤めていたITの会社を退職されて独立され、前職とパートナー事業を行われているというのはやはり長年培ったスキルや知識が評価されてのことだと思います。

信用と信頼が仕事を生むということは新卒でも独立後でも一緒だと私は考えていますし、社会人の基礎的な部分がないとこれは成り立ちません。

起業以外にも言えることですが、ただまっすぐ突き進むだけではどこかで限界が来てしまいます。理想を叶えるために何が必要なのか?考え方なのか技術なのか、自分自身が考え直す機会になるインタビューでした。]

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