ビズスト|BIZ STORY

 

自然エネルギーが主電源の未来を創る

ハチドリソーラー株式会社/株式会社ボーダレス・ジャパン ハチドリ電力 池田 将太

ビズストーリー編集長の大田原です。
「社長」による「社長」のための「社長」ストーリーをお届けするのがビズストーリーです。たくさんの社長の方から、様々な視点での学びを得て自分だけのビズストーリーを刻んでいきましょう。

今回は、電力関係、社会課題解決ビジネス領域の事業で活躍をされている池田様です。

こんな方におすすめ
・地球全体・社会課題解決に関するビジネスに興味のある方
・電力事業に興味のある方
・社会課題支援を行いたい方
こんなことが学べる
・ワンチームを作るためのトップマインド
・社会課題解決のために必要なビジネス要素
・高単価事業を広げていく方法

社会の課題を太陽光で解決する

事業内容について教えてください。

-2事業経営されているかと思いますがそれぞれの事業内容を教えてください

1つ目が僕自身が設立した、ハチドリソーラーの太陽光事業です。自然エネルギーの普及を目指し、初期費用0円で自宅に太陽光が設置できる太陽光の定額サービスを提供していて、戸建住宅を筆頭にさまざまなところに導入させていただいています。自宅の屋根が発電所になるというのは再生可能エネルギーの普及の上ではすごく大事なことなのですが、太陽光発電って普通200万円とか300万円とかするような高額なものなのでどうしても避けられがちです。現状としても日本の戸建住宅で太陽光発電を利用されている方は約10%ほどしかいらっしゃらないので、その数字をあげていくことも目標の1つですね。

-もう1つの事業についてもお願いします!

2つ目はハチドリ電力事業で、「自然エネルギー100%の電気だけ」を提供する電力会社です。日本の電力事業は火力発電が約8割を占めているので火力由来の電力を提供している企業さんがほとんどです。よく企業向けに再生可能エネルギーが50%入っているものや100%のプランを提供している所もあるにはあるのですが、ハチドリ電力では自然エネルギー100%のプランしかご提供しません、という形でやらせていただいています。

具体的な内容として、お客様からいただく電気代の1%を「ハチドリ基金」というものにお預かりし、そのお金を使用して環境に優しい発電所を増やしていくというのがサービスの特徴の1つです。さらにもう1%いただくことで、弊社が提携しているNPOやNGOなどの社会活動をされている団体に寄付することができます。子供の教育や貧困問題、環境問題などさまざまな団体と提携しており、お客様が支援したい分野の団体を指名して寄付することも可能なので、「全ての団体にまんべんなく寄付する」という方もいらっしゃれば「こことここがいい!」という方どちらにも対応することができます。

-寄付先が選べるのはいいですね!自分が支援したい社会課題に寄付できるとなればお客様にとってもWinWinですし!

そうですね。電気って物質的にシステマチックなものなので手触り感が薄いと思うのですが、自分ガ電気を使うことで社会課題に貢献できるという仕組みにすることでお客様にとっても体験価値になりますし、我々もお客様と一緒に取り組んでいるという実感にも繋がるので嬉しいですしやっていてよかったと感じる瞬間でもあります。

-会社の事業が社会貢献活動に直接活かされていると思うのですが、電力で推進していらっしゃる方って珍しいですよね

基本的な企業の考え方として、営利活動である以上どうしても利潤の追求が第1目的になってくるんですよね。どれだけ決算上で計上できる利益があるかが1番大事な指標になりますし、それによって企業の時価総額や評価価値も決まってきます。そういった一般企業と僕らの違いと言うのは、ビジネスの作りの順番にあります。僕らは利益よりも「社会課題に対してどれだけのインパクトを与えられたか 」ということを重要視していて、つまり「利益が出てから社会貢献」ではなくて「社会課題の解決にどれだけ寄与できる事業が作れるか?その上でどう利益を出せるようなビジネスモデルに落としこむか」かみたいな順番論なんです。この考え方でやってる事業会社ってあんまりないんじゃないかな。

-高校時代はプロ野球選手を目指されていて、大学のゼミきっかけで海外に行ってから社会貢献活動をやろうとなったとご経歴を拝見したのですが、事業の始まりはその社会貢献活動がきっかけなんですか?

そうですね!僕これまで野球しかやってこなくて勉強とか全くしたことないみたいな超単細胞だったんですが、野球もやめてやることなくなって暇していた時に、当時のゼミの教授に言われて大洋州の島国ミクロネシア連邦に行って環境活動に取り組みました。ゴミ問題への取り組みの一環として廃棄されるタイヤでサンダルを作ったりとかしてたんですよ。元々JICAや国連(UN)などの国際協力の非営利団体を目指していたのですが、活動を続けていく中で、「誰かにお金をもらうような他人の支援に依存した支援って持続可能じゃないな」と。税金とか支援金とかもらったお金で活動を続けていくって持続可能じゃないなと思ったんですよ。誰かの支援に依存して人を支援するんじゃダメだと思い「ビジネスとして自分がやればいいんだ!」となったのが始まりです。

-すごい!行動力の塊ですね

ありがとうございます。これをきっかけに「国際協力×ビジネス」で起業しようと動き出しました。ですがまずは「お金」ですよね。銀行に借り入れに行ったりベンチャーキャピタル回ったりしましたが当たり前のようにお金は出してもらえず、じゃあどうやったら起業できるんだろうと考えた時に、ハチドリソーラーの親会社である株式会社ボーダレス・ジャパンを知って、ここで自分の会社に出資してもらってソーシャルビジネスをやろう!と決めました。元々僕はミクロネシアでエネルギー事業やろうとしていたのですがちょうどコロナの時期で現地入りができなかったんですよね。それは仕方のないことなので、まずは日本のエネルギー課題に対して事業を行っていこうとハチドリソーラーを立ち上げました。

-そもそも自分で資金調達をするために直接行って回っていたっていうのもすごい行動力ですよね

これ僕めちゃくちゃ世間知らずで、資金調達とか言ってますけど当時アルバイトの給料の入金口座をみずほ銀行にしていたのですが、どうしたら資金調達できるかわからなくてみずほ銀行の窓口のパートのおばちゃんにプレゼンしたんです。自分のミクロネシアでの経験を詰め込んだパワポで(笑)「100万円まず融資してもらえないですか」って。もちろん借りられず。若さというかなんというか怖いもの知らずのパワーですよね。

-いや、それができるだけの行動力や決断力がすごいですよ。ほとんどの人はそこに到達する前に諦めちゃいますし。

再生可能エネルギーを広く普及させるために

-太陽光事業の方も、最初に買い切りではなく定額サービスというスタイルは珍しいですよね

最初にお話ししたように、太陽光パネルというのはどうしても高額になってしまいますし、再生可能エネルギーの普及の上では重要なものなのに実は全然普及していないんですよね。戸建て住宅の普及率が10%だと伝えると皆さん驚かれます

-私も最初驚きました!意外に低いんですね

そうなんです。でももし日本の戸建てを持っている人全員が太陽光発電を乗せて利用するようになったら、日本の再生可能エネルギー比率って10%から20%ぐらいのレンジで上がるくらいインパクトの大きなものなんです。住宅の屋根だけでですよ!なのになぜ普及しないのか?と考えた時に、200万円や300万円という大きな初期費用を自分たちが出さなきゃいけないという部分がネックであるとたどり着きました。そこで僕らが費用を一旦負担して設置させてもらって、月々定額の料金をリースサービスとしてご提供するという形にしました。そうすることでお客様の負担も少なくなりますし、普及もより進むんじゃないかということで、初期費用0円で太陽光を利用してもらいながら、月々定額でお金を支払っていただくというビジネスモデルで、太陽光の普及を目指して取り組んでいます。

-ありがとうございます。その2つの事業ってシナジーが生まれていると思うのですが、太陽光事業に関しては元々やろうと思っていたのか必要だから始めたのかだとどちらになるのでしょうか?

元々は全く別でした。2020年にはハチドリ電力がスタートしていて、僕自身はミクロネシア連邦で太陽光の事業をやろうとしていました。ミクロネシアも日本と同様に火力発電に頼っていて電力インフラが整ってない状況だったので太陽光事業でっていう話だったのですが、まあ先ほど話したようにコロナの流行もあり日本に目を向けることになりました。日本も20%しか再生可能エネルギーがない状況で、実際に太陽光発電の普及率も低いのですが、再生可能エネルギーと言われる電気の中では太陽光って1番低コストなんですよね。値段的にも一般家庭が取り組めるものって今のところ太陽光発電しかないという状況なので、収益を増やすポテンシャルもあるし絶対にやった方がいいということで同じブランド名でハチドリソーラーを立ち上げてスタートしました。

事業成長の秘訣は、利益よりも社会課題解決を優先したこと

電力事業の競争優位性について教えてください。

-太陽光発電事業に関しては、社会貢献活動にもなるので刺さる人には刺さると思うのですが、先程おっしゃっていたように普及率を考えると新規顧客の開拓は難しいのでは?と感じました。顧客の開拓については最初の段階からどのように考えてここまで事業を伸ばしてきたんですか?

基本はWebマーケティングですね。この業界って訪問販売が基本だったのですが、人手的にも無理ですし全国のお客様にお届けしたいと思っていたのでどうしようかと考えて、「この業界DX全然進んでないじゃん!」と。僕らも全く違う戦い方をしようとウェブマーケティングに振りました。お客様にまずウェブで申し込みをしてもらって、そこから何枚パネル乗るのかとかのシミュレーションを僕らが作ってオンラインで全国のお客様にご説明してという流れでご提供していきました。

-確かにWebで完結できると日本全国が販売顧客になりますし、DX化が進んでいないのであればより刺さりますよね

そうですね、なので僕らも最初は広告費とかほぼかけずにSEO対策だけでやっていました。さすがに今は広告も回していますが、それでも毎月150件から200件ぐらいのシミュレーションの申し込みをいただいてめちゃくちゃ忙しくしていました。毎日のように色んなお客様に出会って本当に面白かったですしいつも新鮮な気持ちでしたね。

ありがとうございます。ではハチドリ電力の事業の強みを教えてください!

再生可能エネルギー100%のプランしかやらないというところにすごく独自性があることがまず1つ。あとはその電気を使ってその電気代の1%を、社会課題の支援団体に寄付することができるという仕組みですね。電力に対する付加価値の付け方が新しく、商品設計としてポジショニングが他社と大きく違う所は弊社の強みになると思います。

太陽光パネル事業の競争優位性について教えてください。

-ありがとうございます!では、太陽光事業はいかがでしょうか?

太陽光パネル自体は僕らが作ってるわけではなくメーカーさんが作っている物なので、ハチドリソーラーで設置しても他社で設置しても製品上の違いは特にないんですよね。なので、今までお金を持っている人しか設置できなかったのが月々のリース代として支払っていくという定額サービスにすることで、まとまったお金がなくても届けられるという、そこもお客様のターゲットの幅が大きく広がった要因ではあります。加えて、僕らは15年間のリース契約の期間の中で太陽光パネルが壊れたとしても何回でも新品交換しますという保証もつけているので災害にも安心です。

-それって採算は合うものなんですか?

交換が基本ないというのと、保険会社もいるので問題ないです。あとは、太陽光の業界って地域特化でやってる企業さんが多いのですが、リードが沢山いらっしゃるのって関東エリアなので、関東と地方でクオリティや価格の違いが起こってしまっているんですよね。でも僕らは1社で47都道府県対応できるのでそこも強みです。沖縄などの島だとできないっていう企業さんは結構いらっしゃいますが、そんなことができる会社、今僕が知る限りは僕らしかいないかなと思います。

価格の話でいえば、実際地方だと粗利50%のせて販売したり、適正価格か怪しい値段でお年寄りを狙ったりする業者さんもいるにはいます。それに対してうちはどんなお客様でものせる利益は一定ですし、なんなら粗利率25〜30%です。

-社会貢献活動があった上でもそれで回せているのはすごいと思います。上げようと思えばいくらでも上げられるものをそこにしているのは何か理由があるのでしょうか?

やっぱり適正価格ってなんだろうという考えがあるなと思っていて、例えば今1万5000円電気代払ってるとして、太陽光発電でまかなった分電気代が減る。ここに月々のリース料金の支払いが入って、残った電気を売ることによる売電収入が入って、最後1万7000円になりますって言われたら、「支出増えとるやん!」ってなりますよね。ここがちゃんと支出として減る設計にした方が普及しやすいですし、僕らは日本中が太陽光発電できるようなことを目指してやっていきたいと思っているので、そのためには利益率は25~30%に抑えないといけなかったっていう必然から来てる商品設計なんです。

-それを実現できちゃうのがすごいです

売ろうと思えばいくらでも売れるとは思いますが、それがお客様にとって本当に良いことかというとそうではないですよね。社会課題の解決って環境問題でもあるので、電気を変えてもらうのも太陽光パネルをのせるのも僕らだけじゃできないことです。お客様含めて関係人口をどれだけ増やせるかというところが、僕らとしてすごく大切なテーマです。

-今のお話だけ聞いていても、池田さんが今の事業をすごく好きなんだろうなと伝わってきます。社会課題解決をしたいというのももちろんあるとは思いますが、サービスへの愛が強いからこそ思い切ってやれるんじゃないかなと思います

自分でもそう思います(笑) 募金と一緒で何かこの社会のためにやろうと思っても基本的には単発なんです。太陽光パネルのようなずっと長く使うモノを、社会のためだけにお客様が買うことってほとんどないと思います。社会のために1000円はパッと払えても200万円はなかなかに厳しいですよね。やっぱり本当にいい商品だから買うと思うんです。「社会のために繋がるからやっているんだ」ってお客さんが胸張って言えるようなサービスにやっぱ僕らはしていきたいですしこだわってやっています。

立ち上げの経緯を聞かせてください

-ありがとうございます。では、ここまで事業をやってきた中で、何か大変だったことがあればお聞きしたいです

大変だったことはたくさんあるのですが、特にハチドリソーラーの立ち上げはすごく大変でしたね。僕ら1000万円で会社を立ち上げたのですが、初期費用0円で届けるというテーマだったので軍資金から出したら8件ぐらいでキャッシュアウトしてしまうんですよ。その裏側の金融スキームを作っていくという部分や、どうすれば初期費用0円で太陽光をお客様に届けられるんだろうかという商品設計はすごく難しかったなと感じています。特に僕はエネルギーのプロでもなんでもないのでメーカーさんや施工会社さんとの取引とか、今一緒にやっている金融会社さんとの取引とかもテレアポから始まりましたし、ビジネススキームを作ることは本当に苦戦しました。あとはお客さんにどう認知させていくかっていうマーケの課題とか、採用面も大変でした。

-そういった関係人口を増やしていく動きは池田さん1人でやられていたんですか?

取引系は全部僕でしたね。営業だけでなくてファイナンスしてくれる企業さんを見つけるために地域関係なく日本中の企業に何十社とアプローチして、最終的に関東のとある企業のとこに業務提携させてもらうことになりました。大変でしたがやらない以外に選択肢はないですし、それをやることに意義があると思っていたのでどんなに断られてもとにかくやろうの精神でやっていました。事業としてうまくいくかは別として、これが世の中に出ることに意義があるかないかというと間違いなくあるっていう確信を持ってやっていましたね。

-事業に関しては新卒の時に始められたとお伺いしたのですが…?

はい、新卒3か月目ですね。入社して最初の3ヶ月はハチドリ電力で普通にカスタマーとして働いていて、退職後2021年の7月から新規事業のプランニングを始めて大体1ヶ月半ぐらいでサービスが完成したのでWeb制作してサービスを開始、という流れです。リリースまでは約3ヶ月でした。

-スピード感がとても速いですね!すご。正直新卒で起業する思考になる人ってあまりいないと思うのですが、その中で起業に踏み切れたポイントとかはありますか?

いや、元々起業することしか考えていなかったのでどれだけ早く起業できるかばかり考えていました。それこそみずほ銀行でプレゼンした時は学生でしたし、結果的に学生起業はできずボーダレス・ジャパンに起業家として採用されました。入社してすぐ起業しようとしましたが、その時はまだプランができていなかったので「じゃあ最短でいこう」みたいな感じでやっていました。

-その中で、代表の田口さんとは色んなビジネスモデルの話とかされたんですか?

めちゃくちゃ相談させてもらいましたね。アドバイスもたくさんいただきましたし、兄貴みたいなものですね。今も相談させてもらいますよ。代表もそうですし副社長にも意見を貰ったりします。

-起業したての方って相談する相手や壁打ち相手がいないっていうお悩みをよく聞くので、そういった環境が身近にあるのは事業を拡大していくにあたってとてもいいなと思います。

ボーダレス自体がいい環境だなと感じますし、僕自身社外に相談できる相手がたくさんいるっていうのもあります。一緒に仕事させてもらっている以上取引先も金融機関も関係なくて、1つのサービスを一緒に運営していくというか、提供するバリューチェーンの中にいると考えた時それってやっぱり仲間なんですよね。なので僕は年次の事業計画なんかも取引先に公開しますし、上を目指すためにはどうしたらいいのかってことも腹を割って話し合います。

-だから周りの人も池田さんに協力したくなるんですね

そうだと嬉しいですね。僕も素直に話しますし、相手にも隠し事はなしで!というスタンスでいっているので同志という感覚でもあるかもしれないです。本当にありがたいことです。

成長ドライバーについて教えてください。

-これから事業を伸ばしていくにあたってやった方がいいこと・効果がありそうなことってありますか?

ハチドリ電力の方は、今使ってくださっているお客様から広がっていけるかというところがすごく重要だなと 思っているので、バイラルマーケティングみたいな形でコストをかけずにブランドとして口コミで広げていきたいと考えています。

あとは、その電気の小売りとして再生可能エネルギーの普及に貢献していきたいです。結局のところ、良い発電所を作るのにも電気の売り先がないと難しいんですよね。なのでこの先発電所から電気の直接買い取りを増やしていくことで、再生可能エネルギーの普及に貢献していけるような形にもっとしていきたいです。より多くの人にブランド認知を届けて、なおかつこれから立ち上がってくる発電所の電気を買い取っていくっていうところをもっと強化していけたらと思います。

-ソーラーの方も教えてください!

ソーラーの方だと、今現在は個人向けの太陽光の事業としてリースを提供していますが、将来的には環境に優しいゼネコンを目指しています。やっぱり僕らは個人住宅だけじゃなくて、企業さんの屋根に太陽光パネルをのせるようなものもそうですし、最近だとソーラーシェアリングといって、よくある山を切って設置するような環境負荷が大きいものではなくて下の作物にも光が届くような、作物とパネルで太陽光の光をシェアする発電方法があるんです。次世代型の発電の形なのですが、こういった発電所を作るっていうところも目指していきます。最終的には、僕らが設計〜工事~電気を届ける所までハチドリ電力とハチドリソーラーで一気通貫でできる事業者になっていきたいですし、今回僕がハチドリ電力の方の代表になったのもそういった背景があります。

「発言と行動を一致させる」が信念・哲学

 

『企業哲学』について教えてください

-池田さんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?

「言っていることとやっていることが同じ」であることは常に意識しています。環境問題に取り組むとなった時、それに対して僕ら1人1人ができることも含めて徹底するのって大事だと思うんですよね。

例えば僕がコンビニでは毎回ビニール袋をもらって、めちゃくちゃ排気ガスの出る車で通勤していたらおかしいじゃないですか。僕らは会社を出る時は電話線も全部抜きますし、コンセントも全部抜いて帰るんですよね。小さいことでもやらないよりやった方がいいじゃないですか。それの積み重ねなので。だからそれは社員も含めて全員で徹底してやっていますし、僕らは全員自転車通勤です。

-すごい!めちゃくちゃ健康的ですね

さすがにお子さんのお迎えに車が必要なママさんもいらっしゃるので全員に強制はしませんが、基本的に皆自転車は公共の交通機関を使うように言っています。さっきの山を削って太陽光パネルを置く話もそうですが、たくさん置けた方が利益率が高いからって環境負荷の高いやり方をするのでは利益と環境どちらが大事なのかって話になってしまいます。僕らは環境を大切にしたいのでそういう自然が壊れるような発電所開発は会社としては絶対にやらないって決めていますし、日々の生活も会社の経営スタイルも全て「言ってることとやってることを一致させていく」ということは大事にしていることの1つかなと思います。誰よりも早く会社に来て、誰よりも掃除して、仕事も一生懸命やる。自分のスタイルです。

池田さんの思う『社長』とは?

僕は「役割」だと思います。社長だから偉いとかではなく、決断することや、事業としてどんな方向性をもってどういう社会を作っていきたいかっていう根幹のところを描くことが社長の役割だと思うんです。あとはもう結果を出すことですね。結果が出るチームを作ること。僕の役割はそれです。マーケティングメンバーもお客様対応をしてくれるメンバーもバックオフィスをやってくれるメンバーも、そこに上下はなくて円のような関係をイメージしています。

なのでうちは給料とかも面談して社員が決めているんですよ。「自分自身は今年これくらい会社に貢献した」とか「こういうスキルが上がったけど逆にここが自分としては足りなかったと感じているから自分は今季この給与でいきたいと思う」っていうことを僕に伝えてもらって決定します。低すぎたらさすがに声掛けますけど、基本的にはその通りにしていますね。

-すごいシステムですね!

なのでみんな僕の給料を知っているんですよ。月次の決算も全部社員含めて見れる用にしてあるので僕がどんな経費使ってるかとかもみんな知っています。先程の言動の一致にも繋がってきますが、こういう透明性とかも必要なことだと思っています。会社としてワンチームでいたいと思いますし、経営者は孤独ではないです。自分は経営者で周りよりも上にいると思っているから孤独を感じるだけで社長を役割として扱えばメンバーは横並びですし、横並びだからこそ僕がメンバーに相談することもたくさんありますよ。

-色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!

正解探しは絶対しない方がいいですね。0→1の事業作りも軌道に乗ってからの事業戦略も、「何が正しいんだろう」「この方向性でであってるかな?」みたいな感じで悩むんですよ。考えると悩むは全然違うので、悩んで抜け出せなくて事業案を考えるのに半年〜数か月かけたりするのはあまり意味ないです。僕の場合は100%の正解は探さずに、大体80%ぐらい自分の中でこの方向性で行きたいというのが決まったらすぐ実行してその結果から次を考えるようにしていますし、出してから軌道修正で十分だと思ってやっています。

もう1つ、事業を始めるならアンケートよりヒアリングをした方がいいです。アンケートってほとんどの人が見栄を張る傾向にあるので、「3500円のこの商品買いますか?」というアンケートに対して買うと答えても実際には購入しないことがほとんどなんです。でも道端で5人にぶっつけでヒアリングしたら多分みんな買わないって答えるんですよね。であればその場で「なぜ購入しないのか?」「どうしたら購入したいと感じるか?」というヒアリングを行って、その返答を参考にする方が粒度が高いですし価値があると僕は思います。

メンバーに「本当は伝えたいけど、伝えられていないこと」

僕らは社会を変えるために取り組んでいるので、今のスキルセットじゃ足りないと感じた時は結構厳しくフィードバックを行います。行うのですが、創業期のお金がない時代、お給料が支払えなかった時期や手取りが10万円ほどしかなかった時代もみんな一緒に仕事してくれました。そんな時から一緒にやってくれているのは感謝しかないですし、本当に心から感謝しています。一生一緒に働いていきたい仲間ですし、いつも厳しくてごめんねと思いつつ、それが社会にとって価値がある事業を作っていくためのものだと思っているのでこれからも本気でぶつかりに行きます、そしていつも感謝しています!

-将来ともに働くことになるメンバーにもぜひメッセージをお願いします!

ぶっちゃけめちゃくちゃ大変だと思います。正直ソーシャルビジネスやこういったエネルギーの問題を解決するのは口で言うのは簡単でも実際に実行するのはすごく大変な仕事だと思っています。その分やりがいはとてもありますしとても大きなビジネスなのでやりがいは200%保証します。そんな志を持ってやってくれる人がいればぜひ、地球規模の問題を解決するために一緒にトライアンドエラーしながら進んでいきましょう!

これからの夢や目標を教えてください

「死ぬまでに1000個のソーシャルビジネスをつくること」ですね。

「自分が出会った社会問題を全部解決したい」というのが僕の人生のテーマなんです。僕が起業家になった理由でもありますし、今はエネルギーの問題に取り組んでいますが将来的には他の社会課題にも取り組んでいきたいです。昨年の8月にアフリカの難民キャンプに行って難民問題や雇用の問題などたくさんの社会課題に触れたことでより一層そう感じるようになりましたね。でも今の自分にそれを達成できるだけのスキルはないので、人生をかけて、どんな社会問題でも自分たちがビジネスとして解決していけるような会社を作っていきたいです!

まとめ

池田さん、ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか?新卒3か月目で起業されたことや、実際に事業が立ち上がるまでのスピード感や行動力は私にとっても大きな刺激になりましたし、非常に勉強になりました!インタビューの中でも登場した「考えると悩むは別物」というお話は、ちょうど事業計画について考えていた私にとってはとてもタイムリーで、効果測定的な部分にも繋がってくる、すべての起業家の方にも通ずる内容だったのではないでしょうか?

私も池田さんを見習ってスピードと実行、頑張ります!

ハチドリソーラー株式会社からのお知らせ!

▼「新規顧客を増やすこと」をミッションに、マーケティングのプロフェッショナルとして事業に参画してくれる仲間を募集しています!

https://www.borderless-japan.com/recruit/recruit-list/76655/

 

▼ハチドリソーラー株式会社 公式ホームページ

https://hachidori-denryoku.jp/solar/

▼株式会社ボーダレス・ジャパン ハチドリ電力

https://www.borderless-japan.com/social-business/hachidori-denryoku/

 

▼池田さん紹介note

https://note.com/borderless_japan/n/n31b049a283ab

 

ハチドリソーラー株式会社/株式会社ボーダレス・ジャパン ハチドリ電力

代表取締役 池田 将太

1998年7月千葉県船橋市出身。小学校から高校までプロ野球選手を目指して野球に打ち込む毎日を過ごす。大学入学後、国際協力を志すようになりミクロネシア連邦で環境活動に従事。新卒でボーダレスジャパンに入社。その後、『自然エネルギーが主電源の未来を創る』をミッションにハチドリソーラー株式会社を設立。2023年12月より、ハチドリ電力事業の代表に就任。「電気を買い取る、届ける」と「発電所を増やす」という2つの機能を提供している。
詳細ページへ

新着インタビュー記事