Willbox株式会社 神 一誠
今回は、国際物流領域の事業で活躍をされている神様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
-
・国際物流業界に興味がある方
・既存の業界に新しい考え・サービスを提供していきたいと考える方
- こんなことが学べる
-
・物流業界のイマ
・既存業界に疑問を抱き解決策を提示していくサービス展開
Willbox株式会社 神 一誠
今回は、国際物流領域の事業で活躍をされている神様のビズストーリーをお届けします。
私たちは2019年に創業した国際物流スタートアップです。「国際物流をより最適に、よりスマートに。」をミッションに掲げ、マーケットプレイス型のマッチングプラットフォームを提供しています。
-ありがとうございます!物流と聞くと他社の取材をした時にもプラットフォームを作られている企業さんがあったのですが、そういったところともコラボなどができるような領域なのでしょうか?
そうですね。「物流」と言っても、色々な領域があります。 国内をトラック輸送するのも物流、倉庫で貨物を管理するのも物流、梱包作業も物流なんですよね。私たちがやっている「国際物流」は、倉庫やトラック、梱包など全ての領域を横串で刺して1つのパッケージとして提供しています。そのため、ラストワンマイルや倉庫など、それぞれの領域でもいっぱいスタートアップ企業がありますが、色々な「物流」を横断して横串で刺したものが国際物流になるイメージです。
-なるほど。と言うことは、貴社は丸っとワンストップでお受けしているようなイメージなのですね。
おっしゃる通りです。「物を送りたい荷主企業様」と言われる方々と実際に「物を送ってくれる物流事業者様」をマッチングする場を提供しています。荷主企業様はメーカーや商社、製造業の方々が対象となっています。 物流事業者様は倉庫やトラック、あとは国際物流の領域では梱包があり、通関・船・航空機など様々の物流事業者様が対象です。
最初、起業するつもりは全くなかったんです。 私は家業の総合物流会社に勤めていて、その中で新しいビジネスモデルを考えていました。元々は家業が100年残るためにはどうしたら良いかと考えたビジネスだったんです。
当時、会長を務めていた祖父にプレゼンを行ったのですが、高齢ということもあり、「インターネットはよくわからないな」といった反応をされ、うまく伝わりませんでした。その後、父に同じ説明をしたところ、父は古いノートを取り出し、20〜30年ほど前に同じビジネスモデルを考えていたことを教えてくれました。驚いたことに、そのノートには私が考えたビジネスモデルとほぼ同じ内容が書いてあったのです。
父からその場で「会社を辞めなさい」と言われました。このビジネスは父が考えた当時、インターネットがなかったため実現できなかったそうですが、今は可能だからこそ「これは私たちが甘い汁を吸うものではない」と説明されました。そして、「物流業界のために働け」と言われ、会社を辞めるよう促されました。その時に初めて ”起業” という考えが自分の中に芽生えましたね。
-ありがとうございます!ビズストでも2代目、3代目の社長にも取材してきたのですが、家業があるとご両親は「継いでくれ」と言う印象が強かったのですが神さんのお父様はすごい決断で送り出してくださったんですね。
そうですね。普通なら家業を継ぐことを期待されるものですし、私自身もそう考えていました。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
これまでの約5年間、投資をいただきながら事業を続けてこられた背景には、何よりも物流事業者の皆さまの多大なご協力があったからだと考えています。
また、すでに退職したメンバーもいますが、当時一緒に働いていたメンバーたちも、その時々でベストを尽くしてくれたと思っています。その努力が評価され、投資をいただけたのではないかと感じています。
正直言って、設立当初は手当たり次第に「あれもこれもやるぞ!」というような状態でした。今でこそ組織として少しずつ形が整ってきましたが、起業したばかりでプロダクトもまだ不安定だった当時は、まず物流事業者の方々に声をかけ、その後に荷主企業様にお話をしに行く、といった具合でした。
-大変だっただろうなと思う反面、IPOするベンチャーだからこそのスピード感で楽しそうですね!
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
3つあります。1つ目が業界のリテラシー、2つ目が開発、3つ目が組織ですね。
1つ目の業界のリテラシーでいうと、我々のような新しいサービスが出てきた時に「そんなことができるんだ!」と思う人たちが全体数として少ないもしくは具体的にイメージできる人が少ないというところに関しては苦戦してます。
そのため、早い段階から広報メンバーをおき、物流業界の方々に向けた啓蒙活動なども行っています。
そして2つ目の「開発」は、マッチングするための物流データベースが必要です。職人さんたちが普段頭の中で計算していることや、感覚で行っている作業をデジタルに落とし込んでいますが、「物流現場のリアルな感覚」をシステムで表現するのは非常に難しく、それを解き明かす作業には膨大な労力がかかります。ですので、開発にはどうしても時間がかかってしまっています。
最後、3つ目の「組織」についてですが、私自身、初めて会社を立ち上げて運営している中で、さまざまな紆余曲折を経験しています。その中で「こうやって組織を成長させるのか」「みんなが同じ方向を向いて進むにはこういう困難があるのか」といったことに日々直面しています。これらの課題に取り組むのは大変ですが、組織成長において非常に重要な部分だと感じています。
–神さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
私が経営で大切にしているのは「大義名分」です。事業を進めていく上で、すべての意志決定には「何のためにそれをやるのか」という理由や大義がなければ意味がないと思っています。
そもそも、この事業自体に大義があるからこそ、意味があるのだと思っています。もし大義がなければ、やる意味はないんです。正直、家業の会社で安定して働くこともできたはずですが、わざわざ自分で新しいことに挑戦するのは、大義があるからこそです。ですから、あらゆる意思決定をする際には、「この決断に大義があるか」という視点を大切にしています。
細部にこだわることですかね。僕は手を挙げてくれる人に権限を委譲することが多いのですが、当然、うまくいかないこともあります。そういう時は一緒に考えたり、現場のメンバーや営業に直接関わることでサポートしています。任せるだけでなく、その後の進捗や結果をしっかり見守ることが大切だと思っています。
「国際物流をより最適に、よりスマートに。」を目指し、チーム一丸となって挑戦し続けなきゃいけない。まさにこれからが勝負だと思っています。業界全体の発展のために、これまで以上に協力し合い、さらなる成長を目指していきましょう!
みなさんの日々の頑張りとサポートがあってこその今のWillboxです。
いつも本当にありがとう!これからもよろしくお願いします!
会社としてはアジアでNo.1の国際物流会社になりたいです。それを達成するためには、まずIPOというところも目指さないといけないですし、物流業界の中で我々がインフラになっていかなければならないと思っています。
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