ビズスト|BIZ STORY

 

表面処理で鯖江から世界に。先行投資で未来を睨む二代目社長の決意。

株式会社ワカヤマ 若山 健太郎

今回は、製造業には欠かせない表面処理業で活躍をされている若山様のビズストーリーをお届けします。

こんな方におすすめ
・製造業の経営者
・二代目社長の方
・大きな投資に迷われている方
こんなことが学べる
・二代目としての社内コミュニケーション
・先行投資をすることの大切さ

製品に命を吹き込む仕事

事業内容について教えてください。

「表面処理業」をメインに展開しています。

一般的にはメッキ屋とか塗装屋と呼ばれているものですね。お客様が大切に作られた製品に色付けをする「製品のメークアップアーティスト」と言うとイメージしやすいでしょうか。様々な製品にメッキや塗装、印刷などの技術を用いて、見た人が欲しくなるようなカラーリングを施す仕事になります。

例えば、メガネやアクセサリーなどは、色彩で売れる売れないがはっきりと出てくる業界ですので、ヨーロッパからも直接色の打ち合わせに来られるデザイナーも大勢いらっしゃります。

ありがとうございます!一般的には塗装とかメッキと聞くと自動車をイメージしますが、ワカヤマさんでは生活の一部になるような小さな製品に色をつけられているんですね!

そうですね。実は日本に存在するメッキ屋さんは1000社以上と言われていまして、その中の80%は自動車関連の事業をされています。ですので、塗装やメッキが自動車業界とになるのは当然だと思います。また、そういった会社では生産性が最優先されるので、大きなメッキ装置で効率よく同じ商品を作るイメージではないでしょうか。

しかし、当社では眼鏡、アクセサリーはもちろん、美顔器や義足、楽器など全国から難易度の高い多種多様な製品の色付けを依頼されるので、一つ一つを職人が手作業で色付けをしています。

ワカヤマの優位性について教えてください!

「他に真似ができない技術」と「真似したくない技術」ですね。

「他に真似ができない技術」とは、その名の通り当社の特殊技術になります。実は、私たちが当たり前のように行っているチタンやステンレスへのメッキは、メッキ技術学校でも教わることはないですし、国家技能試験でも出てくることがないほど特殊な技術なのです。しかし、眼鏡の産地ではその技術がなければ、眼鏡へのメッキが出来ない程基本中の基本となります。

二つ目の「真似したくない技術」とは、大手がやりたくないような細やかな顧客対応です。先程お話したようにこの業界は同業他社が1000社いますので、一般的には「いかに安く大量にメッキできるか」というところが勝負所になってきます。ですが、弊社ではその真逆で「とにかく丁寧にメッキする」ことを心がけています。作り手の思いを色に反映するプロとして、効率よりも品質や色彩を重視されるお客様の拠り所として奮闘しています。

会社を継がれた背景を教えてください。

元々は父が興した会社でして、長男でしたし何より「ものつくり」が大好きだった会社を継ぐつもりで故郷に帰ってきました。眼鏡メーカーでの修行も終え、自社で現場や営業を経験して、8年後に社長に就任しました。当時は父の右腕だった人から「坊ちゃんにはついていきません」とはっきり言われてしまったりして、大変でしたが試行錯誤の末に、社員に支えられ、現在では受け継いだ時から従業員数も売上も2倍に成長することができました。

他のメディアさんで「全社員と6時間ほど時間を設けられて会社について話をした」という内容を拝見しましたが、当時その中でどのような話が上がってどう解決に向かわれたんですか?

もともとは、私たちがこの会社に集う理由というか、この会社で皆がやりたいことや夢を聞いてみたいと思って開催したのですが、みんないろんな思いで働いてくれていることが実感できました。

そこで、とりあえず実現可能かどうかは関係なく「こんなことがもし出来たらスゴイよね」という内容の話をしました。その中で女性社員が「塗装でメッキが出来たらいいね」と言ってくれたんですよね。一般の方にはピンと来ないかもしれないですが、「塗装はプラスチックの膜を作る技術」でメッキは「金属の膜を作る技術」なので全くの別物です。当時は、「夢としてはいいね」だったのですが、今ではそのような技術も確立され、とりあえずやってみる事の大切さを実感しました。

すごいですね…!他にはどのような案が出たんですか?

「仲間を今の倍にしたい」みたいな話も上がりましたね。倍になったら駐車場も足りなくなるよねという会話をしていましたが、今となっては本当に倍になっていますし、新しい工場を作ろうという計画も立てているところです。今思うと「無理だよね」と思うようなことを話していましたが、ほとんど実現できていますね。

ただ、そのために会社の方向性を変えたりもしたので、新しい方針に付いて行けない社員は何名も去って行きました。ですが、お陰で今では優秀な若い人材も毎年入ってくる見違えるような会社に生まれ変わりました。

卵が先か、鶏が先か

競争優位性について教えてください。

ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?

「お客様からの無理難題にイエスと答えてきたこと」ですね。

先代である父は、すごく健全な経営をしていて、できないものはできないと答える人でした。しかし、地場産業の眼鏡のメッキだけではこれ以上の成長が見込めないと思っていたので、新しいメッキラインを導入しました。当時の売り上げが3億円程で、6千万円の投資でしたので絶対に成功させると息巻いていました。すると、全く新しい業界からの依頼が舞い込み、新しい当社の売り上げの柱とすることができました。

卵が先か、鶏が先かとの議論があります。これは、仕事をとるのが先か、設備導入が先かと言い換えられると考えています。ですが、仕事が取れてから準備しますと言っている会社に仕事が来るはずがありませんよね。私は、いつ仕事が来てもよい準備を先にしておきたいと考えています。

その決断ができることがすごいです。かなりの負荷がかかったのではないですか?

そうですね。会社からの帰り道にラジオでFUNKY MONKEY BABYSの「あとひとつ」が流れていたんですが、涙が止まらなかったですね。あとちょっと、もう少しと、当時はストレスがかなりかかっていたんだと思います。ですが、今思うと、あの判断があったからこそ会社のポテンシャルがまだまだあることも分かりましたし、今後の挑戦への種にもなったと考えています。

成長ドライバーについて教えてください。

これから事業を伸ばしていくにあたってやった方がいいこと・効果がありそうなことってありますか?

「新しく人を採用すること」ですね。

人を雇用することはすごく怖いですし、仕事が無くなったときのリスクがとても大きいですが、本当にやりたいことをやるためにはマンパワーが重要になります。明日を変えていくためには、今いる人材だけでなく新しい人材を獲得していくしかないんですよね。

数年前、弊社にシステムエンジニアの方が入ってきてくれましたが、当時の30名程度の規模感ではシステムエンジニアは活躍の場が少ないとみなされていました。ですが、その人が入ってきてくれたおかげで、様々なDXツールを使いこなしながら効率化が実現でき、お客様とのお付き合いの仕方もスムーズになりました。また、他の社員もITリテラシーが高くなり他の工業組合から何十人もバスで見学にくる程にDX推進企業として知られるようになりました。

1人ではなく、仲間がいるからこそ成長できる

『企業哲学』について教えてください

若山さんがお仕事をする上で大切にしていることはなんでしょうか?

「1人でやらないこと」です。

元々他に会社を作っていて、すべて自分1人でやっていましたが結果的に会社を潰してしまいました。私は0から1を作ることは得意ですが、1を10にすることが苦手で中々売上を伸ばすことができませんでした。様々な人がいるからたくさんの着眼点があって、意見があって会社が成長していくものだと痛感したので、1人でやろうとせず仲間を大切にしながら会社を伸ばしていきたいですね。

若山さんの思う『社長』とは?

社長とは「庭師」だと思います。

「木」が会社で「葉っぱ」が社員で「土壌」がマーケットですよね。木を大きくしていくために庭師が水をあげて、病気になったら薬を撒いてあげて、より成長できるように土壌を良くする。そのように何年も何年も根気強く世話をして、5年6年経ってようやく果実がなるわけですよ。いきなり明日実がなりますなんてことは絶対にないので、実がなることを願って根気強く世話をし続けることが大事だと思いますね。

色々なご経験から他の社長へ気をつけるべきことや落とし穴になりそうなことがあればアドバイスをください!

「最終意思決定は自分ですること」ですね。

人が決めたことに従っていたら、失敗したときにその人のせいにしてしまいます。しかし、自分で意思決定をしたら、失敗でさえも自分の成長につながります。成功した場合も、人に従えばその人の成功になりますが、自分で意思決定していれば自分の成功と自信に繋がります。私は先輩経営者に相談したり、コンサルタントの意見を求めたりと自分以外の思考を取り入れることでリスクの低減を行っています。しかし、最終的には自分の頭で考え、自分の意思で決定し、全ての結果の責任が自分にあると考えています。

メンバーに「本当は伝えたいけど、伝えられていないこと」

「0から1を生み出す発想しかできないこんな社長についてきてくれてありがとう」と伝えたいですね。みんなが私の足りない部分を補ってくれているからドンドン前を走ることができていますし、会社を大きくしていくことができているので、「支えてくれてありがとう」という気持ちです。

これからの夢や目標を教えてください

「最高の表面処理サービスで世界にWOWを届ける」です。

これは6年前に掲げた当社のミッションで、今でもこの思いは変わっていません。これからも我々にしかできないことを追い求め続けていきたいですね。

まとめ

若山さんありがとうございました!

今回の若山さんのお話は、二代目・三代目社長の方にとって非常に勉強になる内容だったのではないでしょうか。会社を引き継ぐことの大変さや経営判断の大変さを感じるような内容でしたが、それと同時に意思決定をして行動していくことの大切さやワクワクを感じました!

お話しいただいたことのすべてを載せられないことが悔しいと感じるほど興味深くおもしろいお話しばかりでしたので、どこかのタイミングで公開できたらなと思います!

株式会社ワカヤマからのお知らせ

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株式会社ワカヤマ

代表取締役 若山 健太郎

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