株式会社ハタメタルワークス 畑 敬三
今回は、金属製造領域の事業で活躍をされている畑様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
-
・二代目・三代目社長の方
・金属製造業の方
- こんなことが学べる
-
・会社の方向性を変えるときの対応
・会社を伸ばすための切り替え方
株式会社ハタメタルワークス 畑 敬三
今回は、金属製造領域の事業で活躍をされている畑様のビズストーリーをお届けします。
「銅に特化した金属の製造業」をしています。
銅に特化しているという点でも金属製造業の中でもめずらしいですが、さらに「短納期・小ロット」を売りにしている点が当社の優位性となっています。
–ありがとうございます!銅に特化している理由は何ですか?
当社が意図的に銅に特化したというよりも、「最初にお取引をしたお客さまから銅の注文が多かったから」銅に特化し始めたという背景になります。たまたまそうなった形ですね(笑)
元々は私自身会社を継ごうとは思っていませんでしたが、当時父が病気になったことをきっかけに三代目として社長に就任しました。
会社自体は当初祖父が創業して、初めは電鉄会社の資材担当者と祖父の仲が良かったという接点から、依頼された金属を加工会社さんに加工してもらい、それを納品するというブローカーのような仕事をしていました。そこからしばらく電鉄会社さんとのお付き合いを続けていましたが、父が二代目として継いだ後に営業をして電池メーカーさんとのお付き合いが始まり、電鉄会社さんと電池メーカーさんの2社を軸に売上を作っていました。しかし、電池メーカーさんが他社さんと合併したことで当社に降りてくる仕事が激減し大変な時期でしたが、そのタイミングで父が病気になってしまったことで「自分がやるしかない」と思い三代目として引き継ぎました。
–元々は継ぐ気がなかったということですが、お父様に継いでほしいとお願いされて継がれたんですか?
子どもの頃は漠然と継ぐことになるのかなと思っていましたが、父の大変そうな背中を見て継ぎたくないと思うようになりました。父からも「やめておいた方がいい」と言われていましたが、従業員の方もいましたので最終的には私が継ぐという形に落ち着きました。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
「扱う製品を銅に絞り、短納期・小ロットという形にシフトしたこと」です。
先ほどお客さまが合併されて仕事が激減したとお話ししましたが、その件がなければおそらく今でも当時と同じような仕事をしていたと思います。ですが、仕事が激減したことで従来とは違う何かを始める必要があり、考えた末に今の会社の方針にたどり着きました。
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
製造スタッフ・営業スタッフ含め、人材の採用が難しくなってくるのではないかと思っています。今後若い人材も積極的に採用していきたいと考えていますので、少しでも若い方々にこの会社で働きたいと思ってもらえるように一昨年オフィスを引っ越ししましたし、社名も変更しました。今後は人材の取り合いになっていくので、勝てる要素を少しでも増やせていけたらと思います。
–スキルがある人だけではなく、未経験の方も採用していく予定なんですか?
そうですね。未経験でも歓迎していて、社内のメンバー中には学校を卒業後、焼肉店でバイトしたのちに当社で初めての正社員として活躍してくれているメンバーもいます。未経験の方が入社されても育てていく環境はあるので、経験問わず採用していきたいとですが、今後会社の実力をつけ、さらに大きくしていくためには経験とスキルがあるメンバーの採用を優先的に行っていきたいと考えています。
–畑さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
「安いものを作るのではなく高くても質の良いものを作る」ことにこだわっています。
できるだけ安くすることも競合に勝つための1つの方法だと思いますが、当社では高くても質の良いものを作ることで、利益を出して会社をさらに大きくしていきたいと考えています。そのためには製品の質を追求することも大切ですが、マーケティングや戦略が重要になってくると思いますので、そこにもこだわりを持って企業運営していきます。
「自分の気持ちを理解してもらうためには、まず自分が相手のことを理解することが大事」と伝えたいですね。
私が就任してすぐに方向性を変えたので、中々理解してくれない方も一定数いました。元々は決まったお客さまから依頼が来る決まった品番の製品を作り続けるという形でしたが、短納期・小ロットで作っていくという方向性にしたことで最初はすごく大変でした。そのために私から従業員のみなさんに精一杯の説明をしましたが、数人は会社を離れてしまいましたね。そのときに感じたことは、会社のためを思ってのことだとしても、自分の考えや気持ちを伝えて理解してもらうためには、まずは相手がそう考えているのかを聞いて、理解することが1番大切だということです。
今でもまず相手の話を聞いて理解するということを常に意識し続けています。
–ありがとうございます!その時期を一緒に乗り越えられた方々の存在はとてもありがたいですね…!
そうですね。当時から私の考えを理解してくれて、前向きに頑張ってくれたメンバーは今でもとても活躍してくれています。あの時期を乗り越えたことが自信にもなっていると思いますね。当社は今ではホワイト企業として他のメディアさんにも取り上げていただいていて、残業もほとんどなく就業時間よりも早く終わることもあるほどになっていますが、方向性を切り替えた当時は夜遅い時間まで残って仕事をしてもらっていました。当時のメンバーには本当に感謝しています。
先ほどお話ししたように、就任当初を乗り越えてくれたメンバーにはとても感謝しています。そして、その後入社してくれたメンバーにも心から感謝しています。みんながいなければ会社は成り立たないですし、普段から一生懸命頑張ってくれている姿は見ていますし、今後も一緒に頑張っていただけたら嬉しいですね。
「小さい分野で日本一だと言われる会社になりたい」です。
会社の規模とか、売上とか大きな分野で日本一になりたいわけではなく、例えば「加工の対応力」だったり「納期の早さ」みたいなところで日本一だと言われる会社になりたいです。
畑さん、ありがとうございました!三代目社長という創業社長とはまた違った課題や悩みを抱え、それを乗り越えて今の会社を作り上げていて、お話を聞いていてとても楽しかったです!日本一を目指す今後のハタメタルワークスさんに注目です!
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