
株式会社Cellest 佐々木 宏志
今回は、ライブコマース領域の事業で活躍をされている佐々木様のビズストーリーをお届けします。
- こんな方におすすめ
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・既存事業に新しいシナジーを掛け合わせた事業を考えている方
・トッププレイヤーから経営者になりたい方
- こんなことが学べる
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・「ライブコマース」とは?
・時代に合わせた事業展開
株式会社Cellest 佐々木 宏志
今回は、ライブコマース領域の事業で活躍をされている佐々木様のビズストーリーをお届けします。
当社はライブコマースのインフラ化を目指すスタートアップ企業です。現在、2つ事業を展開しています。1つ目がライブコマーサーのプロデュースとマネジメントを行うライブコマース専門事務所「セレスト」を運営しております。2つ目がライブを見ながらその場で買い物ができるライブコマース専用のECモールアプリ「WABE」というアプリを開発しており、間もなくローンチ予定となっております。
-ありがとうございます!正直私はライブコマースのことはあまり詳しくないのですが……最近話題になってるな〜くらいの感覚でして佐々木さんの体感としてはいつくらいから伸びてきている業界という印象なのでしょうか?
僕がライブコマースで事業を始めたのは2017年ですが、ここ1年で流行してきた印象です。それまで「ライブコマースって何?」と多くの方にずっと言われ続けていたのが、さすがに言葉自体は聞いたことがあるという風に変わってきました。今年1年はさらに爆発的に流行る、ライブコマース元年になると業界では言われていますね。
-販売するものなどはどのようにして決められているのでしょうか?
僕たちはたくさんの企業様から商品の提案をいただき、その中で本当に良いと思ったものを仕入れて販売しています。日常の中で気になる商品があれば、こちらから「販売させてください」とお声掛けすることもあります。
-ありがとうございます。ある程度は自分たちで売りたいものが決められるのは良いですね!ちなみにアプリのローンチもされるとのことだったのですが、どうしてアプリを始めようと思われたのでしょうか?
元々僕たちは販売者として、世の中にライブコマースアプリができては潰れて……という過程をずっと経験してきました。
僕たちは希望を持ってライブコマースのプラットフォームを利用し始めるんですが、それが潰れて絶望に落とされ、また違う会社が始めたプラットフォームを利用して、それがまた潰れるという経験を繰り返していたんです。大手の撤退も続いて、もういよいよ「日本でライブコマースのプラットフォームを作れる会社っていないんじゃないかな」と言われ始めた時に、販売者としてライブコマース業界を牽引してきた自負がある自分たちだったら、作れるんじゃないかなと思ったのがきっかけです。
僕たちと同じ思いをしている人たちを救おう!という使命感で取り組んでいます。
元々僕、学生時代にメルカリで商品を販売してたんですけど、ある日突然ライブコマースの機能が入ってきて、なんか面白そうだなと思って売ってみたんです。そうすると商品がめちゃくちゃ売れて。そこから中国でライブコマースが爆発的に流行ってることを知って、実際に見に行ってみると、本当に街中にたくさんのライブ配信者がいて、ライブコマースがインフラ化されていることを実感しました。日本でもテレビショッピングっていう文化がありますが、それが今後ライブコマースに変わっていく可能性が高いと確信して、大学卒業後にライブコマースで起業しました。
–ここまで事業を伸ばしてこられた要因ってどこにありますか?
まず5W1Hを大事にしています。いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、どのように(How)、なぜ(Why)売るのかです。Whoで言うと、「誰が売るか」「どんなチームがやってるか」が重要だと思っています。僕たちと全く同じ事業を別の100人の人間がやった場合、1番賢い人が勝つと思っています。プロダクトそのものというよりは、誰がやるかが重要です。
なので僕は配信者とそれを支えるチームに対する教育と育成を徹底しています。例えば、商品知識やセールストークを徹底的に叩き込んだり、リアルタイムで視聴者とやり取りするスキルを体系化して継続的に学べる仕組みを整えたりしています。Howの部分の「どうやって売るか」では、まず僕たちはライブコマースを単なるECではなくてエンターテイメントだと思っています。
エンターテイメントとセールスを融合し、単なる商品紹介ではなく、ライブ番組として視聴者が楽しめるコンテンツにすることを重視しています。タイムセールをして盛り上がったり、
その他にも、配信した動画を毎回分析し、視聴者の反応を即座に検証して改善に繋げるというループをめちゃくちゃ早く回しています。大企業だと時間がかかりそうなことを、スタートアップならではの小回りの良さを生かして、PDCAを回せていることも伸びている要因だと思います。
-これから事業を伸ばしていくにあたって課題になりそうなポイントはありますか?
ライブコマース専門事務所では、人材の確保の難しさを感じています。「ライブコマースをやってみたい!」という方はいるけれど、ライブコマ―サーとしてのスキルやポテンシャルがある方は現状少ない印象です。例えば、ライバーとして対異性から人気があって「投げ銭」で収益を上げてきたような方も、ライブコマ―サーとして対同性に対してモノを売るとなると別のスキルが必要になるんですよね。また、ライブコマーサーを支えるスキルを持った方も同様に足りていないと感じています。僕たちも育成に力を入れていますが、今後業界全体の課題にもなるだろうなと思っています。あとは、ライブコマースは配信のクオリティを担保することを考えると、スタジオなどの場所が重要になります。そこに対して投資することも、難しいことだと思いますね。
「WABE」に関しては、今後プラットフォームとしての信頼をどうやって勝ち取っていくかが難しいと思っていますし、大手企業が参入してきたときの対応策も課題になってくると思います。
–佐々木さんが経営をする上でこだわっていることはなんでしょうか?
僕が会社で掲げているバリューは5つあります。1つ目は「お客様を感動させること」です。単に顧客満足度を上げましょうというレベルではなくて、期待を超える価値を作り出して、お客様の心に残る体験を届ける必要があるなと思っています。ライブコマースは、単にものを買って良いものが届いたからOKではなくて、それをはるかに超えるエンターテイメント性のある体験でなければいけないと感じています。
2つ目は「データに基づきロジカル」というのを掲げています。感情的に話さない・私情を持ち込まないことを大事にして、データに基づいた事実なのか?論理的なのかということを意識して判断するようにしています。3つ目に「即断・即決・即行動」です。経営をする上で本当にスピードを大事にしています。
4つ目は「成長を楽しむこと」ですね。仕事ってやらされてるなっていう感じが出たらもう伸びないので、自ら楽しむことを意識してます。5つ目は「楽しく、自分らしく」で、4つ目と少し似ていますが、嫌なことはやらずに、楽しいことにこだわるスタンスで仕事をしていきたいと思っています。
何も気をつけることはないと思っています。なぜかと言うと、チャレンジしてからわかることの方が多いからです。自分が思う通りに、とにかくチャレンジすることが大事です。
僕の周りで成功している起業家で、他人に自らアドバイスを求めるような方はほとんど聞いたことがないです。逆に「起業したいんですけど、なにかアドバイスないですか」と質問している方たちは、ほとんど成功してない気がします。
細かいアドバイスをするとすれば、株式や資金などファイナンスに関すること、「こんな事業計画にした方がよい」みたいなことはありますが、それを起業当初に聞いたところであまり役に立たないと思います。まずは余計なことは考えず、挑戦するのがいいと思います。
僕はとにかく「ライブコマースのインフラ化」を実現したいと考えています。海外ではすでにライブコマースは流行っていますが、日本ではまだ言葉だけ知っているというレベルの方が多いと思います。ライブコマースの存在理由や意義を多くの方がわかっているような状態にしていきたいと思ってますし、これからローンチする「WABE」は楽天やAmazonのように多くの人が使っているサービスとして世の中に広げていきたいです。
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